こんばんは。
理学療法士のRYUです。
先日、糖尿病と強く疑われる方の人数が初めて推計1000万人を超えたというニュースがありました。
現在、国際糖尿病連合(IDF)の発表によれば、世界における糖尿病人口は4億2500万人で、2年前の2015年より1000万人増加しているそうです。
世界人口は現在76億人ですので、およそ18人に1人が糖尿病ということになります。
20-79歳に限定すると、およそ11人に1人が糖尿病であるとされており、これは2045年には10人に1人になると予想されています。
有効な施策をとらなければ2045年までに世界の糖尿病人口は6億9300万人に増加すると予想されており、今後も糖尿病にかかる医療費は増加するのではないかと思われます。
日本は2025年に「団塊の世代」が後期高齢者(75歳以上)になる「2025年問題」をあと8年後に控えており、人口は減少傾向となるものの、おそらく糖尿病を持った方の割合は増えていくのかなとも思います。
糖尿病になるといったいどのくらいのお金がかかるのでしょうか。
今回は、糖尿病の医療費についてです。(厚生労働省の国民医療費の概要を引用)
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日本における医療費って全体でどのくらい?
厚生労働省の発表によれば、平成25年の国民医療費は、40兆610億円です。
額が桁違いすぎるので、参考として2017年度の日本の国家予算を挙げると、90兆4547億円です。
んー、やはりあまりイメージが湧きませんが、医療費だけで国家半年分の予算と同じくらいと考えるとかなりの額が医療費ってかかっているんだなーと思いました。
人口1人当たりにすると、31万円4700円とのこと。
私は、今年は一度も風邪をひかず、病院に勤務はしていますが病院に受診はしていないので、今年は31万円ものお金は間違いなく使わないでしょう。
ご高齢の方を中心に医療費の額も増加していくものと思われます。
では、そのうち、糖尿病にかかる医療費はどのくらいなのでしょうか。
日本における糖尿病の医療費
同じく、平成25年の統計をもとにすると、糖尿病の医療費は1兆2076億円だそうです。
つまり、医療費全体の約40分の1くらいですね。
これが多いのかはわかりませんが、参考程度に最も多かった分野を挙げると、循環器系の疾病で5兆8817億円だそうです。
但し、この糖尿病の医療費には糖尿病の合併症によってかかった医療費は含まれていないそうなので、それも踏まえて考えた場合にはさらにもっと多くの医療費がかかっていることが予想されます。
以前透析療法についての記事を書いた際にもお伝えしましたが、維持透析には1人当たり年間約500万円がかかります。
糖尿病腎症が悪化した場合、生命を維持するのに透析が必要になることがあります。
これは合併症のごく一部ですが、これだけを考えても合併症にかかる医療費も大変額の大きいものになりそうだということがお分かりいただけると思います(透析を受けておられる方に対して批判的な意思は全くありません。透析療法は必要な治療法であるとともに素晴らしい治療法であり、必要とされている方が受けている治療について批判をする気持ちは全くありません。あくまでも糖尿病の予防の重要性を強調するため金額のことについて書いているまでです)。
日本の糖尿病の医療費は世界的にみると、第5位(但し、別統計の結果で2017年の発表)で、第1位はアメリカだそうです。(第2位中国、第3位ドイツ、第4位インド)
次は、糖尿病の患者さん1人あたりの負担を考えたときにどのくらいのお金がかかるのかみていきましょう。
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糖尿病になったら個人でかかる医療費はどのくらい?
これは、アメリカの研究結果ですが、個人でかかる医療費について調べたものがあります(アメリカの糖尿病の医療費は世界第1位でしたね)。
Xiaohui Zhuo, PhD et al;Lifetime Direct Medical Costs of Treating Type 2
Diabetes and Diabetic ComplicationsAm ,J Prev Med,2013,45(3),253–261
この研究によると、2型糖尿病で生涯にかかる医療費の平均は約830万円(男女別、年齢層別で幅があり540-1270万円)でこのうち53%は糖尿病合併症によるものだそうです。(1ドル98円で計算した糖尿病ネットワークより引用、一部改変)
日本では、糖尿病ネットワークにて、糖尿病になるとどのくらいのお金がかかるのかを試算しています。
ここでは、血糖降下薬1種類、血糖降下薬2種類、インスリン+血糖降下薬+自己血糖測定などいくつかのケースにわけて試算を出してくれているので非常にわかりやすくなっていますので参考にしてみて下さい。糖尿病ネットワークホームページはこちらです。
詳細は引用元を参照してもらえたらと思うのですが、
だいたい2000円台~1万円台くらいの医療費(3割負担)が月にかかるようです。
自己負担はこのくらいですが、医療費を考えると約9000円~33000円くらいの医療費がかかるわけなので、これが冒頭でお伝えした糖尿病が強く疑われる方1000万人が毎月負担するというのは個々人にとっても、国にとっても大きな負担になるのではないでしょうか。
お金の問題ではないのかもしれませんし、命を守るために必要なことなので現在治療を受けている方を非難するつもりは一切ありません。
しかし、まだ糖尿病になっていない方に対してはこの数字をみて、少しでも糖尿病を予防しようという気持ちになってもらうきっかけになってもらえたらうれしいです。
それでは!
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