糖尿病患者さんの血圧管理

こんにちは!

理学療法療法士のRYUです。

みなさんはもう健康診断を受けましたか?

普段、私たちが血圧を測る機会として最もメジャーなのは、健康診断ですよね。それ以外に定期的に血圧を測っているという方は少数かもしれません。

ただ、だいたいどのくらいだと血圧が高いのかという基準は正確に分からなくても、みなさんなんとなく知っている上に、血圧計さえあれば自宅でも測定できるという意味では、一般の方に広く知られた簡単に行える検査の1つであるといってもいいかもしれません。

普段病院で勤務していると、

「毎日血圧を測って記録しているんです」

という素晴らしいセルフマネジメントをしている中高年の方に出会うことも稀ではありません。

今回は糖尿病患者さんの血圧管理について、その降圧目標や、日常生活での注意点、血圧を下げることによってどんなメリットがあるのかなどについて書いていきたいと思います。

それではみていきましょう!

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そもそも血圧ってなに?

血圧は心拍出量と末梢血管抵抗によって表されます。

血圧=心拍出量×末梢血管抵抗

心拍出量は、心臓から送り出される血液の量のことです。

この心拍出量に影響するのは、例えば体内を循環している血液の量、心拍数、心筋の収縮力などが挙げられます。

末梢血管抵抗は、末梢の血管での血液の流れにくさのことです。

この末梢血管抵抗に影響するのは、血管の内側の面積、血管の柔軟性、血液の性状(ドロドロかサラサラかなど)なんかが挙げられます。

ようは、たくさん血液があって、心臓たくさん働いていたら血圧は上がる傾向になるし、血管が硬くて血液がドロドロしていても血圧は上がる傾向になるという感じですかね。

そして、これらは体から分泌されるホルモンによっても調整されています。

血圧には、収縮期血圧と拡張期血圧という2つがあります。

よく、上がいくつで下がいくつっていうやつですね。

収縮期血圧は、心臓から大動脈へ血液を送り出している状態のときに、心臓の収縮で押し出された血液によって大動脈の血管壁にかかっている圧力のことです。

拡張期血圧は、心臓へ血液が戻ってきている状態のときに、心臓は次に血液を送り出すために拡張し、大動脈の血液量が減っているときの血管壁にかかる圧力のことです。

さきほどの式を見てもらうとわかりやすいと思うのですが、心臓から血液を送り出しているときの方が、圧力は高くなるのはなんとなくわかりますよね。

なので、収縮期血圧の方が拡張期血圧よりも高くなります。

糖尿病患者さんの降圧目標

高血圧治療ガイドライン2019によれば、糖尿病患者さんの降圧目標は、

診察室血圧130/80 家庭内血圧125/75

となります。

もちろん、この血圧管理はガイドラインによるものであり、個々の対象を見ていませんので、みなさんにとっては最終目標という位置づけになるのかなと思います。

なので、最終目標を達成するためのプロセスはかかりつけ医と相談しながら歩んでいくものだと認識しています。

また、例えばひとえに高血圧といってもそこに至る原因は様々です。一概に不足な生活で高血圧になっていると言い切れないのですが、ガイドラインによれば生活習慣の修正に関する指導はすべての高血圧患者に行われるべきだと書かれています。

ここからは、高血圧に関して、普段の生活の中で私たちが毎日工夫できる部分、血圧に影響する生活とは何かについてみていきましょう。

日常生活で血圧に影響すること

食塩摂取状況
食塩の過剰な摂取は血圧上昇に影響するようです。
ガイドラインでは、食塩摂取の目標値は6g/日になっています。
ただ食塩のgなんて普段図っていないですよね。
コンビニで買ったり、外食した場合には裏のシールやメニューに食塩量が書いてありますが、自宅で自炊した場合には食塩の量を測定しながら料理をすることが非常にパワーがいるように思います。
さきほどカップラーメンの食品成分表示をみてみたら6.8gでした!(一発アウトー!)
1日6gというのは、生活する中でかなりタイトな目標ですね。
現状みなさんが、どのくらい食塩を摂っているか分かるのが、厚生労働省が行っている「国民健康・栄養調査」です。
平成30年(2018)の「国民健康・栄養調査」による「栄養・食生活に関する状況―食塩摂取量の状況」は以下となっています。
食塩摂取量の平均値は10.1g 。
男女別にみると男性11.0g、女性9.3g。
やっぱり、目標値は超えていますね。
自炊する上でも食塩量を調整しやすい簡単なやり方があればいいのですが。
カリウム
カリウムは、食塩の成分であるナトリウムによる血圧上昇作用を抑える(尿への排出を促す)ように働くことから、生野菜や果物などの摂取により降圧効果が期待できるようです。
厚生労働省が出している日本人の食事摂取基準2020によれば、カリウムの摂取の目標値は男性3000㎎/日、女性2600㎎/日となっています。(成人の目標です。子供と75歳以上の方はちょっと違うのでリンク参照してみてください。)
あと、糖尿病患者さんでいえば、糖尿病腎症が第5期で血液透析中の方、第4期(第3期の一部)の方はカリウムの制限がありますので注意です。
糖尿病患者さんで腎症がある方の食事に関してはこちらへ→糖尿病で「腎症があります」と言われたときに特化した食事はこれ

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体重
BMI(Body Mass Index)=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)≧25が日本では、肥満とみなされます。
肥満も高血圧に影響します。
では、減量するとどのくらい血圧に影響するのでしょうか。
ガイドラインに示されていたのは、1kg減量することで収縮期血圧が約1.1mmHg、拡張期血圧が約0.9mmHg低下すると推定されているというものでした。
糖尿病患者さんに限らずですが、急な減量は体に負担がかかりますので、BMIが25以上である場合には、長期的にみて減量に取り組んでみるのもいいかもしれません。
糖尿病患者さんの減量に関してはこちらへ→【糖尿病対策】減量のススメ
運動
適度な運動も血圧にいい影響があることがわかっています。
もちろん、それぞれの人によって適度な運動というのは変わってきますし、抱えている病気によって気を付けなければならないこともあると思います。ご高齢の方では運動による怪我にも注意しなければなりません。
特にご高齢の方に関しては、どんな運動をしたらいいのかについて、かかりつけの病院に定期受診した際に先生に相談してみるのがお勧めです。
一般的には、速歩、ステップ運動、ジョギング、ランニングなどの有酸素運動が推奨されています。
糖尿病患者さんの運動についてはこちらに詳しく書いておりますので、ご覧ください。
節酒
一時的なアルコール摂取は血圧降下に作用しますが、習慣的な飲酒は血圧上昇に働くようです。
多くのお酒好きな方は習慣的な飲酒であると思われるので酒の量は気を付ける必要がありそうですね。
糖尿病患者さんであっても酒がまったくダメというわけではなく、医師が認める場合に飲酒が可能です。(先生がいくらダメだといってもなかなかやめられないものでもあるかと思いますが。)
糖尿病患者さんの飲酒に関することについては以前記事にまとめましたので、こちらをご覧ください。
禁煙
喫煙(紙巻きたばこ)と血圧の関係については、血圧が高い傾向と低い傾向と両方示されているようで何とも言えない部分はあるのかもしれません。
ただ、喫煙によって交感神経活動の亢進、血管収縮が生じるため血圧が上がる作用は生じる可能性があります。
また、慢性的な喫煙は動脈硬化につながりますので、これも血圧が上がる作用は生じる可能性があります。
ガイドラインを読む限り、電子タバコについては、血圧との関係をみたものは報告がないとのことでした。
天気
寒いと血圧は上がるようです。
そのためなるべく室内の温度が一定に保たれるよう、特に冬季には注意が必要です。
最近、ヒートショックという言葉もメジャーになってきました。
ヒートショックは特に入浴前後に起こる、家の中の急激な温度差により血圧が大きく変動することで失神や心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こし、身体へ悪影響を及ぼすことです。
温かい浴槽に入ったり、また寒い浴室で体を洗ったり、また温まったり、寒い脱衣場に出たりなど周囲の温度が急激に変化することで起こるものです。
最近では賃貸借物件でも脱衣場にヒーターがついていたり、浴室内に暖房が入っていたりしますが、一般的には十分普及しているとは言えない気がします。
ストレス
ストレスにより血圧が上がるようです。
ストレスは糖尿病の発症や血糖コントロールにも影響があります。
ストレスを全く感じないようにしようというのは無理かもしれませんが、ストレスを軽減できるような対策や考え方など積極的に取り入れていきたいですね。
ちなみに私は、ストレスを感じたときには一度やっている作業を全部止めて深呼吸をするようにしています。
息を吸うときに両手をピンと伸ばして手をギュッと握りこみます。息を吐くときに力を入れていた手の力をダラっと抜くようにします。
結構お勧めですので、真似してみてくださいね!

血圧管理をするメリット

糖尿病と血圧は切っても切れない関係です。

なぜなら、糖尿病の合併症を進行させる要因の1つが高血圧だからです。

糖尿病には、様々な合併症リスクがありますが、その中でも有名なのが、細小血管障害と大血管障害です。

細小血管障害の代表格が、糖尿病神経障害、糖尿病腎症、糖尿病網膜症です。3大合併症ってやつですね。

また、大血管障害は心筋梗塞などの冠動脈疾患、脳梗塞などの脳血管疾患などの動脈硬化性疾患です。

これらは、私たちの日常生活を著しく過ごしにくくするだけでなく、後遺症や症状によって自らの心の健康も脅かすものです。

なので、血圧を管理する最大のメリットは、

疾患の予防です!

これは、日々患者さんと関わっていく中で感じることでもあるのですが、私も含め健康な時や明らかな症状がないときには、なかなか気を付けようと思いにくい部分であると思います。

ただ、毎日の積み重ねなので、例えば1つこれは気を付けようということを決めて、毎日それだけは守るという積み重ねが新たな習慣になってしまえば苦にならないと思うんですよね。

小さなことでもいいので、ぜひ1つでも気を付けようというものを持っていただけたら幸いです。

私も自炊するときの塩の量を一振り減らすことから始めます!

それでは!
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