糖尿病足病変―どうして足に潰瘍が?―

こんばんは。

理学療法士のRYUです。

最近、糖尿病足病変の患者さんを担当させていただくことがありました。

糖尿病足病変とは、糖尿病を持つ(厳密には足先の血流が悪くなっている方や糖尿病神経障害を有している糖尿病の方)がかかってしまう、爪や足の水虫(白癬;はくせん)や潰瘍、火傷などの皮膚損傷、タコ(胼胝;べんち)、末梢動脈閉塞(PAD)などのことです。

予防するためには、正しく糖尿病足病変について知り、足を観察する癖をつけることが必要です。

しかし、どうして足に潰瘍などできてしまうのでしょうか。

普通足に潰瘍なんてできてしまったら痛みで気づきそうですよね。

これには糖尿病の合併症が大きく関係しているようなのです。

それではみていきましょう。
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足のクッション構造

足は、常に体を支えなければいけません。

そのため足の構造は足にかかる体重やかかる衝撃を緩和するためにアーチ状になっています。

よく、「土踏まず」と言われる、足の内側のアーチは「内側縦アーチ」と言われるものです。

また、足を正面から見たときにも母趾から小趾にかけてアーチ構造があるのが分かるかと思います。

これは「横アーチ」と呼ばれています。

そして、土踏まず側ではない足の外側にも縦方向にアーチ構造があります。

これは「外側縦アーチ」と呼ばれています。

足はこの3つのアーチ構造によって体重を受け止めることで足にかかる衝撃を緩衝しているんです。

なぜ足に潰瘍ができてしまうの?

潰瘍ができる原因は大きく3つあります。

〇足先の血流が悪くなっている

糖尿病神経障害がある

〇その他(足の変形、胼胝など)

この3つ(すべてか、いずれか)がある状態で、靴擦れや怪我、火傷などが起こると、それをきっかけに潰瘍ができてしまいやすくなります。

足の血流が悪いのは、動脈硬化が進むためです。

この足への血流が悪くなっている状態を末梢動脈閉塞といい、その程度によって歩いていると足が痛くなってきたりといった自覚症状が出てきます。

糖尿病神経障害は、いわゆる足の痺れが主ですが、靴擦れや怪我をしても痛みを感じにくくそれらに気づきにくくなってしまいます。

また、痺れだけではなく、運動神経が障害されることで足の筋肉の動きが悪くなったり萎縮するため足の変形を招きやすくなります。

タコ(胼胝;べんち)ですが、タコは歩いたりして足底のある箇所に圧力が集中することで形成されます。

よく、ヒールをよく履く女性の足の裏、特に母趾から中趾の付け根のあたりにかけてヒールダコと呼ばれるタコができやすいです。

これは、高いヒールを履くことで、足の前の方(前足部)に体重がかかりやすくなり、足の横アーチが低下することによって荷重が前足部に集中することでできます。

ヒールダコはハイヒールを履くことで起こりますが、糖尿病患者でも足の変形をきっかけに一部に圧が集中しタコを作ってしまうことがあります。

まとめると、

基礎に足の血流が悪く傷が治りにくい環境がある

糖尿病神経障害により傷ができても気づきにくくなっている

足の変形により足にタコや靴連れなどができやすくなっている

傷から潰瘍に発展してしまう

といった流れでしょうか。
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足に起こりやすい変形

〇シャルコー足(シャルコー関節症、神経障害性関節症)

通常足の関節には運動神経、知覚神経、固有感覚受容器など様々な神経系が備わっており、現在の足の状態を脳に報告したり、逆に脳からの指令を足に伝えたりしています。

糖尿病神経障害により、これらの機能が低下すると、足にかかっている負担を脳が把握できなくなったり、脳からの指令をうまく足に伝えられなくなります。

その具体例がシャルコー足と呼ばれるものです。

関節にかかる負担を脳が把握できないため、どんどん負担が積み重なっていき、関節の変形、骨の破壊が進みます。

関節が赤く腫れたり、熱を持ったりするようです。

しかし感覚が低下しているため、痛みなどはあまり感じないようです。

ほおっておくと骨の破壊などが進み、靴擦れやタコから潰瘍を作ってしまうようです。

〇外反母趾

これは糖尿病に限らずですが、母趾が他の指の方に曲がる変形です。

付け根の部分が横に出っ張るので、その部分にタコなどを作りやすくなったりします。

〇内反小趾

外反母趾がある方は内反小趾を伴う場合があるようです。内反小趾は小趾が他の指の方に曲がる変形です。外反母趾と同様、指の付け根が横に出っ張るので、その部分にタコなどを作りやすかったりします。

〇強剛母趾(きょうごうぼし)

原因はわかっていないですが、関節を形成する骨と骨の隙間が加齢によって狭くなったり、関節に面している骨に骨棘という棘のようなものが出来て関節の動きを邪魔することで母趾の動きが悪くなることがあります。

歩行時に母趾の動きが悪くなり、他の指や足底に負担がかかってしまうことがあります。

〇凹足(おうそく)

これは、偏平足の逆バージョンで、アーチが高い状態の足を指します。

糖尿病神経障害により、足の筋肉のバランスが崩れることで起こると考えられています。

前足部と、踵に圧がかかりやすくなります。

〇ハンマートゥ、クロートゥ

ハンマートゥは、足の指の第1関節が上向き(伸びる方)に、第2関節が下向き(曲がる方)に変形している状態を指します。

クロートゥは、足の指の第1関節、第2関節ともに下向き(曲げる方)に変形している状態を指します。

歩行時に足の指をうまく使えないため他の足底部分に負担がかかりやすくなったり、足の甲側の関節部分が靴にあたってタコができやすくなったりします。

いかがでしたでしょうか。

足病変を予防するには、血糖コントロールをしっかり行い糖尿病神経障害や、末梢動脈閉塞を予防すること。

そして足の観察を怠らないことです。

それでは!
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