こんばんは。理学療法士のRYUです。
「ケトン体」という言葉は聞いたことがあるでしょうか。あまり聞き慣れない方が多いかもしれません。
医療関係者の方はもしかしたら、このケトン体にはあまり良いイメージがないかもしれません。なぜなら糖尿病ケトアシドーシスという合併症において、ケトン体が尿から検出されるからです。
ケトン体というのは、簡単にいうと
「脂肪が分解されたものがブドウ糖に変わるエネルギーになるために変化したもの」
です。
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例えば、飢餓状態では、栄養が足りていないのでエネルギーを作り出すために脂肪が分解されてエネルギーを作り出すのでケトン体が検出されます。
あとは先ほどの糖尿病ケトアシドーシスもインスリンが効かない、もしくは出ていない状態ではブドウ糖をうまく体に取り込めないので、脂肪が分解されてケトン体が検出されます。
「ケトン体がでていること=体に良くないことが起こっている」
というイメージがしみついているんですね。(特に医療関係者は)
現在、糖質制限がとても流行っていますよね。
私も糖質制限を糖尿病治療として行っていくことには賛成です。
しかし、勉強し始めた当初私は
「糖質制限を過度に行うとケトン体がでてきてしまって体によくないのではないのか?」という疑問を持っていました。
炭水化物やタンパク質、脂質の代謝(消化)経路については省略しますが、いわゆる脂肪を分解してエネルギーを作り出す場合にはケトン体ができることは知っていました。
そんなケトン体について、いやむしろケトン体は体にいいんだと、安全性や有効性について書かれているのが、今回読ませてもらった
「まんがケトン体入門ー糖質制限するとなぜ健康になるのかー」
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<スポンサーリンク>監修 宗田哲男
漫画 おちゃずけ
発行所 株式会社 光文社
初版発行 2017年
です。
前置きが長くなってしまいましたが、、
ポイントを絞ってお伝えします。
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専門的に詳しく書いてあるのに読みやすい
ケトン体がいったいどういうものなのか、悪者扱いされているけれども実はとても役に立つ存在なんだということが、専門的な観点から詳しく書かれているにも関わらず、一般の方でも十分にわかりやすい内容だと感じました。
もちろん漫画であることもそうなのですが、難しい言葉もイラストも一緒に描いてあるので頭に入ってきやすかったです。
主人公のケトンくんとブドウ糖ちゃんが一緒に自分たちの役割について勉強していくというのも擬人的で楽しく学ぶことが出来ます。
本書ではケトン体が味方、インスリンが敵
ケトン体について、その有効性は本書で色々な観点から書かれています。
認知症、糖尿病、うつ病、癌などです。
ケトン体は体によくないというイメージがついてしまっていた私も、本書を読んでいる内に「こんな効果もあるのか」と大変勉強になりました。
また、糖尿病の治療では必須アイテムもいうべきインスリンが様々な危険のある要注意なものであるということも1つの知識として勉強になりました。
いわゆる日本糖尿病学会で推進している食事療法とは非なるものだと思うので、今まで医療従事者向けに出ている参考書などで勉強してきている(私も含め)医療関係者の方たちも驚きの内容かと思います。
ちょこっと載っているコラム的なところも面白い
本書では、ちょこっとだけ載っているコラムのような内容もあります。
低糖質のレシピだったり、糖質制限食を実践しているのに痩せない場合の原因だったりなどについて書かれていて、ちょっこっと載っているコラムにも関わらず内容は濃い目です。
いかがでしたでしょうか。
あまり内容には触れていないので、ご興味のある方は是非、ご一読いただければと思います。
また、本書のさらに詳しい内容は、
「ケトン体が人類を救うー糖質制限でなぜ健康になるのかー」
著者 宗田哲男
発行所 株式会社 光文社
初版発行 2015年
にも書かれているので、こちらもご一読いただきたいところです。
それでは!
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