糖尿病と人工甘味料―人工甘味料なら摂っても大丈夫?―

こんばんは。

理学療法士のRYUです。

以前、人工甘味料についての記事を書きました。

糖尿病でも甘いものは食べて良いのか。人工甘味料は摂っても血糖値は上がらない?

この記事では、砂糖と人工甘味料を同量で比較した場合には、

人工甘味料の方が約200倍の甘さがあるため人工甘味料が少量でも甘みを出すことができるためにカロリーや糖質を抑えられているということをお伝えしました。

今回は、人工甘味料の使用がインスリン抵抗やHbA1cにどのような影響があるのかを調べた論文をご紹介し、その関係についてお伝えできればと思います。
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人工甘味料の摂取による影響

論文にはエビデンスレベルというものがあり、レベルの高いものの方が「科学的に確かである」ということができます。

論文の中で最もエビデンスレベルの高いのが「システマティックレビュー」といわれているものです。

今回ご紹介するのは、そのシステマティックレビューという種類の論文です。

Azad MB,et al. ;Nonnutritive sweeteners and cardiometabolic health: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials and prospective cohort studies, CMAJ,2017,189(28),pp929-39

これは、非栄養甘味料(アスパルテーム、スクラロース、ステビオシドなど)いわゆる人工甘味料と心血管障害との関連を調べるために行われたシステマティックレビューです。

この研究によれば、人工甘味料摂取によるHbA1cやインスリン抵抗性(インスリンの効きの悪さ)の改善に関しては効果があるとは言えないしないとも言えないという結果のようです。

しかし、2型糖尿病発症のリスクを上げるという結果が出ており、なんらかの要因で人工甘味料の摂取によって糖尿病の発症リスクが高まるこということになります。
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人工甘味料で糖尿病発症リスクが高まる理由

以前書いた人工甘味料の記事では、血糖値の上昇はあってもわずかであろうということを書きました。

今回のシステマティックレビューでもHbA1cやインスリン抵抗性(インスリンの効きの悪さ)の改善効果に関してはっきりとした結果が出ていません。

ということは、やはり人工甘味料では明らかに血糖値をあげるわけでもなさそうであり、インスリン抵抗性(インスリンの効きの悪さ)を明らかに増大させるわけでもなさそうということが言えるのではないでしょうか。

しかし、糖尿病の発症リスクはあがる、、というのはどういうことなのでしょうか。

この原因に関してはいくつか可能性が考えられています。

まず、人工甘味料でも、甘いものを摂取する習慣を持っているということは、人工甘味料に限らず日常的に甘いものを摂取してしまう可能性が高いということです。

普段から甘いものを摂っていると

「甘いものを食べたいなー」「食事の最後には甘いもので〆る」など、甘いものを摂取する習慣ができてしまいます。

そこで人工甘味料でごまかしていても、つい普通の甘いものにも手を出してしまいがちになってしまうというわけです。

他には、インクレチンという小腸から分泌されるホルモンの増加やそれに伴うインスリン分泌の増加、そして小腸での糖の吸収促進も要因として考えられているようです。

インクレチンは小腸に入ってきた糖を感知してインスリンの分泌を促す作用のあるホルモンです。

このインクレチンを分解するのがDPP-4であり、このDPP-4を邪魔するのがジャヌビア©などをはじめとしたDPP-4阻害薬という糖尿病薬になります。

このインクレチンが人工甘味料の糖にも反応してインスリンの分泌を促してしまうというわけです。

インスリンが分泌されるだけなら別に血糖値が下がるだけなんじゃないのという感じもしますが、人工甘味料の摂取では血糖値はほぼあがらないと言っていいと思いますので、血糖値はあがらないのにインスリンの分泌は促されるという、通常の体の仕組みとは異なる反応が起こってしまうことが影響しているのではないかと考えられているようです。

また、小腸からの糖の吸収が促されるというのも同様に、糖の代謝が通常とは異なった反応になってしまうことが影響しているということが考えられているようです。

この辺の詳細に関してはまだ不明な点も多いので、今後の研究の積み重ねが必要ですね。


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いかがでしたでしょうか。

個人的には、人工甘味料の摂取で血糖値は上昇しないのはほぼ間違いなさそうなので、糖尿病の予防や甘いものがどうしても我慢できない糖尿病の方などのデザートにはいいのかなーとも思っていましたが、安全性に太鼓判を押せるような状態でもなさそうな感じです。

糖尿病療養指導ガイドブック2014では、人工甘味料を含む代替甘味料などの使用された食品の摂取に関しては主治医や管理栄養士に相談するようにするということになっており、医師・管理栄養士に丸投げといった感じになってしまっています。

正直、医師・管理栄養士もよほど詳しい方でない限りは、人工甘味料の適正な摂取量や許容範囲量などを指導できる方々は少数派になってしまうのではないかと思います。

現時点では、人工甘味料も摂ってもいいかもしれないが、摂りすぎはよくない可能性があり、どの程度から摂りすぎなのかの量に関しては、糖尿病発症リスクや合併症予防リスクをどの程度で高めるのかという点に関してはまだ不明な点が多いという感じでしょうか。

また、論文などご紹介できればと思っています。

それでは!

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