あなたが飲んでいる糖尿病の薬は?タイプ7末梢での糖の取り込みを良くして血糖値を下げるタイプ-薬の作用・効果・注意点-

※お薬についての情報提供であって宣伝目的では決してありません。使用にあたっては医師・薬剤師と十分ご相談下さい。

こんばんは。

理学療法士のRYUです。

シリーズあなたが飲んでいる糖尿病の薬は?編。これまでまとめてきたのは、

タイプ1;膵臓からインスリンの分泌を促して血糖値を下げるタイプ

タイプ2; インスリンの効きを良くして血糖を下げるタイプ

タイプ3;食後の高血糖を下げるタイプ

タイプ4;血糖値の上昇に合わせてインスリン分泌を促し血糖値を下げるタイプ

タイプ5;早めに膵臓からインスリンの分泌を促して血糖値を下げるタイプ

タイプ6;ブドウ糖を排泄することで血糖値を下げるタイプ

です。

今回で、現在ある糖尿病のお薬はすべて網羅したことになります。

最後は、主に末梢組織(筋、脂肪)での糖の取り込みを促すことで血糖値を下げるチアゾリジン薬についてまとめていきたいと思います。

商品名でいうと、アクトス錠®、ピオグリタゾン錠「アメル」といったものになります。

それでは、どのような作用や効果があるのか。注意点は何なのかについてみていきましょう。
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タイプ2に似ている、チアゾリジン薬の効果・作用

先ほども書きましたが、チアゾリジン薬は主に末梢組織(筋、脂肪)での糖の取り込みを促すことで血糖値を下げる働きがあります。

血糖値は、言ってみたら血液に流れている糖分のことです。

この糖分は、食べ物を吸収したりして増える以外に、肝臓で蓄えてある砂糖の塊(グリコーゲンといいます)が分解されて血液に流れることでも増えます。

逆に血糖値を下げるには、肝臓で砂糖の塊として貯め込む、腸で糖分を吸収し細胞での消費、脂肪へ糖分を貯め込む他に、筋肉を動かすためのエネルギーとして使用されるということがあります。

チアゾリジン薬は、筋肉、脂肪などの組織で糖分が消費されることを促したり、肝臓で蓄えられている砂糖の塊が分解されることを防いだりして血糖値を下げます。

ここで、非常に効果・作用が似ているのがタイプ2のBG(ビグアナイド)薬です。

BG(ビグアナイド)薬も末梢組織での糖の取り込みを促す作用があると言われています。

今回のチアゾリジン薬とタイプ2のBG(ビグアナイド)薬の違いはなんなのでしょうか。

簡単に言うと、チアゾリジン薬は末梢組織に効くのがメイン、BG(ビグアナイド)薬は肝臓に貯め込まれている糖の塊(グリコーゲン)が分解されるのを抑制するのがメインという違いがあります。

また、BG薬は肥満のある糖尿病患者に良いとされている一方で、チアゾリジン薬は長期服用により肥満を助長させてしまう可能性があるようなので、食事療法をしっかり行う必要があります(他のお薬の場合には食事療法をしっかり行わなくていいという意味ではないです)。

肥満を助長させてしまう、、このお薬の注意点では、主にこういった「肥える、貯まる」といったことがキーワードになってきます。

それでは、注意点を見ていきましょう。
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チアゾリジン薬の注意点とは

まず、心臓の機能が低下する「心不全」が悪化もしくは発症することがあります。心臓が弱い方の場合(狭心症や心筋梗塞などの危険性が考えられる場合)には特に慎重な投与が必要です。

心不全の徴候(急激な体重増加、浮腫、息切れ、動悸など)が現れた場合にはすぐに主治医に相談して下さい。

特に女性の場合には浮腫を認める頻度が多いようです。

また、女性では骨折の頻度が高くなることがあるようです。

チアゾリジン薬単独の使用では、低血糖になる危険性は低いですが、他の糖尿病のお薬と併用している場合には注意が必要です。

あとは、膀胱癌の発症頻度が増加するという報告もあるようです。

そのため、お薬の添付文書には膀胱癌治療中の方に対しては投与を避けるよう記載されています。また、膀胱癌になったことのある方の場合には慎重に投与を検討する必要があることも書かれています。

おそらく、チアゾリジン薬の使用を主治医が判断した際には、患者さん又はご家族に膀胱癌の発症頻度が増加する可能性があることについて説明があると思いますので、主治医ときちんと相談された上で使用を検討していただければと思います。

いかがでしたでしょうか。

以上で、シリーズあなたが飲んでいる糖尿病の薬は?編はいったん終了です。

あとは、これらのお薬のうち、複数の成分が入った混ぜ薬のような「配合錠」というものも出ています。

配合錠は、今までご紹介してきたお薬の種類がわかっていたら十分に理解できると思います。

お薬関係の記事もこれから書いていきたいと思います。

今後ともよろしくお願いします。

それでは!
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