こんにちは。
理学療法士のRYUです。
大変ご無沙汰しております。気づけば、約4ヶ月以上更新できておりませんでした。その間にも相当数の方がサイトの閲覧をしてくださっており、大変ありがたい話です。
また、サイトで参考にさせていただいたり、ご紹介した文献の著者の先生から連絡をいただくこともあり大変恐縮です。
このサイトが糖尿病の療養する側、指導する側双方になにかしらの参考になっていれば幸いです。記事にすることで自分の勉強・知識の整理にもなりますので、今後も継続して書いていきます。
さて、今日は糖尿病網膜症に対して行われる検査が自宅でもできるようになるのではないかと期待される研究成果がプレリリースされておりましたのでご紹介します。
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糖尿病が原因で失明する人は年間3000人
成人の失明の原因の第2位が糖尿病網膜症によるものです。(第1位は緑内障です)
糖尿病網膜症については以前にまとめたことがありますので、こちらも読んでみて下さいね。
糖尿病網膜症は最悪の場合失明する可能性のある合併症で、予防するために重要なのは血糖コントロールや高血圧治療などになります。
糖尿病網膜症のステージは大まかに3つに分けられており、それぞれのステージに合わせて定期的に眼底検査をすることが必須となります。
網膜症がない場合・・・6-12ヶ月
単純網膜症の場合・・・3-6ヶ月
増殖前網膜症の場合・・・1-2ヶ月
増殖網膜症の場合・・・2週-1ヶ月
ステージが進んでいくにつれ、短いスパンで検査をして悪化がないかチェックしていく必要があるということですね。
眼底検査でなにをみるのかについてもこちらに書いてありますので、読んでみて下さい。
その他の合併症についてはこちらから。
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自覚症状がないから受診しない!
この糖尿病網膜症の恐ろしいところは、進行するまで自覚症状がほとんどないことです。
なんと、増殖網膜症までは自覚症状がでることがあまり多くないようです。
私も普段医療機関に勤務し糖尿病療養指導にあたる際には患者さんの合併症の有無を確認しますが、眼科を定期的に受診されているという方は非常に少ないです(個人的な印象です)
以前受診したことはあっても、「別に悪くなってないし」「面倒でさぁ」という理由で中断している方も少なからずいらっしゃいました。
確かに、自覚症状もなく日常生活に支障の出ていない状態が続いているのに「じゃあまた半年後に来て下さい」と言われたとして行かなくなってしまう気持ちが分からなくもないです。
ですが、それは実際に進行した場合に失明をするかもしれないという重大性が理解できていないからではないかと思いますし、それは患者さん側の問題だけではなく私達医療従事者がもっと理解を促せるような療養をしていくことが必要なんだと思います。
と、熱く書いてみましたが、実際に眼科に行かなくても自分で撮れたら画期的ですよね。
それを先生に見てもらったらいいですし、自分である程度「これが写ってたらマズイ」というものだけ分かっていればすぐに受診につなげることもできます。
そんなことが可能なのかと思ったら、この研究によってもしかしたら可能になるのかもしれません。
ぶれない、まぶしくない、自撮りできる小型眼底カメラシステム
奈良先端科学技術大学院大学先端科学技術研究科 物質創成科学領域の太田淳教授らの研究グループと東京大学大学院 情報理工学系研究科 石川正俊教授らの研究グループは共同で、ユーザーが1人で眼底網膜像を撮影する新しい小型眼底カメラシステムの開発に成功しました。
糖尿病ネットワークから引用させていただきました(http://www.dm-net.co.jp/)
同システムによる装置は、現時点では未承認医療機器のため販売・授与できないそうなのですが、今後は自宅で気軽に眼病や生活習慣病をチェックするヘルスケア機器として、実用化を目指すとしているようです。
小型とはいえ、写真の大きさだとちょっとまだ大きくて使いづらそうだなと感じました。
とはいえ、まだ開発段階なデバイスなわけですから、今後さらに小型化が進めば自身の目の状態をすぐに把握できるすばらしい商品になりそうですね。
いかがでしたでしょうか。
リハビリテーションを行う上でも安全に運動療法を実施していただくためには目の状態を医療従事者に知らせておくことは大切なことです。
現時点では、眼科で診てもらわなければ状態がわからないですし、逆に分かったら(自覚症状が出てきたら)既にだいぶ状態が進行している可能性があります。
ぜひ、定期的に眼科に行き、症状がないからと言って自己中断しないよう気を付けましょう。
それでは!
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