【糖尿病の合併症】糖尿病になったら足をよく観察しよう-糖尿病足病変-

こんばんは。

理学療法士のRYUです。

今回は糖尿病の合併症についてです。その他の合併症についてはこちらをご覧ください。

みなさんは「糖尿病足病変」という言葉をきいたことがありますか?

糖尿病は悪くなると足を切断しなければならなくなるというのは、この糖尿病足病変の状態がかなり悪くなった状態ということになります。

足を切断しないで済むように、日々チェックしてもらいたいポイントをお伝えしていきたいと思います。
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糖尿病による足の切断は年間1万人以上

糖尿病足病変というのは簡単にいうと、ちょっとした怪我により糖分たっぷりの血液にバイ菌が入って感染したり(糖分たっぷりはバイ菌が繁殖しやすい)、動脈硬化症(末梢動脈性疾患(PAD)といったりします)により血管が細くなることで血流が悪くなることで足の組織が障害を受けることです。

体の中がそんな状態になっていることに加えて、糖尿病神経障害による足の痺れがあると症状が出るのが遅かったり、傷に気づきにくかったりして発見が遅くなってしまうことがあります。

動脈硬化症の原因に糖尿病がありますので、結局糖尿病から始まって体に良くないことが連鎖的に起こっていくようなイメージです。

糖尿病足病変になりやすい糖尿病患者さんの特徴を挙げます。

1 足病変や足趾(足の指)の切断を過去にしたことがある方

2 透析をしている方

3 末梢動脈性疾患(PAD)がある方

4 ヘビースモーカー

5 糖尿病神経障害が高度な方

6 足趾(足の指)や爪の変形、タコがある方

7 足病変を知らない方

8 血糖値のコントロールが不十分な方

9 視力障害が高度で、足を見たり爪を切ったりすることが難しい方

10 怪我をしやすい機会が多い方

11 一人暮らしの高齢者や足を不衛生にしている方

(糖尿病療養指導ガイドブック2014より引用、一部改変)

糖尿病による足の切断は年間1万人以上と言われており、切断した場合には日常生活に否応でも支障が生じます。

そのため、糖尿病足病変の予防が糖尿病患者さんにとっては必須になります。

どのように予防したら良いのでしょうか。

糖尿病足病変になりそうな時の足の状態6つ

糖尿病足病変になる可能性のある足の状態を6つ挙げます。

1 火傷

2 外傷

3 靴擦れ

4 深爪、陥入爪(かんにゅうそう)

5 乾燥、亀裂

6 ウオノメ、タコ

(糖尿病療養指導ガイドブック2014より引用、一部改変)

基本的にはこの6つを作らないように予防していくことが大事です。

そのためには、先ほどの足病変になりやすい患者さんに該当する人は以下に気をつけましょう。
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足にあった靴を選ぼう

新しい靴を履いた時に靴擦れをよく起こしてしまいます。それは足に馴染んでいないという以外に、靴の締付け具合やサイズが足に合っていない可能性が考えられます。

靴は足の大きさから1-1.5cm程度大きいものを選ぶようにし、足の甲の高さが十分にあるものを選びましょう。また、足の甲の部分の締め付けを調整できるもの(紐やマジックテープなど)がいいでしょう。

靴を履いた時に、靴と足に過剰な隙間ができないように適度に締め付けます。

また、踵を踏んで歩くと踵部分が弱くなってしまい足全体を支える力が弱くなってしまうので踵までしっかり入れて履きましょう。

そして、靴の表面はできれば通気性の良いものが良いです。

必然的にスニーカーが最も望ましいと思われます。

足は夕方にかけて少なからずむくんできますので、もし新調されるのであれば夕方に買いに行かれることをオススメします。

爪を正しく切ろう

爪を正しく切ることも糖尿病足病変の予防には重要です。

(糖尿病ネットワークホームページより引用)

深爪は爪周囲の炎症が起きやすいので避けます。

また、巻き爪や爪の水虫になっている場合には医療機関を受診に適切な処置をしてもらいましょう。

ご自身で爪を切ることが難しい場合には、周りのご家族による協力が必要です。

お風呂に入っている時に足を観察しよう

お風呂に入る時には、もちろん服を着ていないので足の観察をする絶好の機会です。

お風呂の時に足をくまなく観察しましょう。

ポイントとしては、傷がないか、乾燥してひび割れなどないか、足の指と指の間が清潔に保たれているか、ウオノメやタコがないか、足の皮膚は血色が良いかどうかです。

お風呂では、足を丁寧に洗います。足の指と指の間もきれいに洗いましょう。

湯船に入る時には、足の火傷を予防するために、お湯の温度を手で確認してから入るようにします。

また、長風呂をすると皮膚がふやけて傷を作りやすくなってしまいますので避けましょう。

もし、皮膚が乾燥していたらお風呂から出た後に保湿クリームを塗ってケアを十分行います。

もし、怪我しているのを見つけたら適切な処置を行います。

もし、足に傷をみつけたら

小さな傷であれば、石鹸できれいに優しく洗ったあとに柔らかいタオルで水分を拭き取り、消毒をします。

傷口周囲が赤く腫れていて痛かったり、熱をもっていたりしたらかかりつけの医師に相談しましょう。傷の程度によっては足に体重をかけない方がいい場合があり、その場合には松葉杖などの歩行補助具を使用します。

いかがでしたでしょうか。

糖尿病足病変は最悪足の切断をしなければならない恐ろしい合併症です。

足の切断は、場合によって義足を作成する必要があり練習により歩行を獲得することはできますが、ご本人のQOL(Quality of life;生命の質)を著しく下げるものです。

足の観察を強化し、糖尿病足病変を予防していきましょう。

それでは!
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