こんばんは。理学療法士のRYUです。
ヤフー知恵袋では、「糖尿病」で検索すると妊娠中の妊婦さんからの「妊娠糖尿病」についての質問がかなりの量あります。
自分の体ももちろんですが、これから産まれてくる命、赤ちゃんにどんな影響があるのか、とても不安になると思います。
ここでは、一般的に妊娠糖尿病と言われた方に食事について指導する内容をまとめていきたいと思います。
書いている情報は、基本的に日本糖尿病療養指導士の資格を取得する際に学んだ知識をもとにしていますので日本糖尿病学会が推奨している方法になっています。これらは個人差や人によって生活習慣などが異なるため、あくまでも一般的な情報としてお読み下さい。
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制限するエネルギーkcal(カロリー)は肥満かそうでないかで違う
妊娠糖尿病の方の食事は、厳しくエネルギーkcal(カロリー)を管理していくことが必要になります。なぜかというと、あまり制限しすぎても胎児の発育を妨げてしまうかもしれないし、かといって摂りすぎると血糖値があがって、お母さんだけでなく胎児にも影響を与えてしまうかもしれないからです。
お母さんの血糖値の上がり過ぎを治しつつ、胎児の発育を妨げないという2つのことを同時に行わないといけないので、お母さんは大変です。お父さんの協力も必要ですね。
そんなわけで、1日の摂取エネルギーkcal(カロリー)の目標は、
妊娠前の体重がBMI(=体重kg÷身長m÷身長)が25未満か25以上かで目標とするエネルギーkcal(カロリー)制限の数字が変わってきます。
まず、BMIが25未満の妊婦さんの場合をみていきましょう。
BMIが25未満の妊婦さんの場合には、
エネルギーkcal(カロリー)=22×身長m×身長m×30kcal
を計算していきます。
それに、
妊娠初期(4-15週)で+50kcal
中期(16-27週)で+250kcal
後期(28-39週)で+450kcal
を足して目標としていきます。
これは、体重増加などの状況をみながら調整していきます。
次に、BMIが25以上の妊婦さんの場合ですが、
エネルギーkcal(カロリー)=22×身長m×身長m×30kcal
を計算し(先ほどと同じです)、周期別の付加はつけません。
3大栄養素はバランス良く食べる
日本糖尿病学会が勧めているのは、バランスの良い食事です。
一般的には、
炭水化物が半分と少し、残りをタンパク質と脂質で半々で摂るというイメージでいいかと思います。
しかし、ここで気をつけたいのは「食後の高血糖問題」です。
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食後高血糖問題
妊娠糖尿病では、妊娠によりインスリンの効きが悪くなっている状態なので血糖値があがりやすいです。
お母さんの高血糖は、胎児の高血糖も引き起こし、それが結果的に良くない影響を胎児に与えてしまうため、食後の血糖値管理はしっかり行う必要があります。
目標は、食後2時間の血糖値が120mg/dL未満です。
ヤフー知恵袋では、これが達成できずに悩まれている方が多くいらっしゃるように思います。
目標とするべき1日の摂取エネルギーを朝・昼・夕にわけて食べると、1回の食事で摂る糖質量が多くなり過ぎで食後血糖値の目標を達成できない場合があります。
そのため、1日の3回食事とは別にエネルギーを少し分けて途中で間食をする「分食(ぶんしょく)」という方法がとられることがあります。
注意点は、間食はあくまでも1日の摂取エネルギー内で行うということです。1回の食事を少し控えめにして間食で補うというイメージです。
食後2時間での血糖値120mg/dL未満という目標以外にも血糖値の目標があります。
朝食前血糖値70-100mg/dL
HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)6.2%未満
の全部で3つです。
クリアしなければならないハードルは3つですね!
食後高血糖を予防するためには
1つには食べる順番があります。
血糖値は糖質(炭水化物=糖質+食物繊維)の摂取によってあがるので、それを一番最後に食べる方法です。最後に食べることで血糖値の上昇を穏やかにしてくれる効果があると言われています。
一般的には、
野菜→おかず→ご飯
という順番になります。ぜひ、お試しあれ!
あとは、低糖質のパンや、白米ではなくもち麦などを混ぜたご飯にするという方法も食物繊維の割合が高くなるので血糖値をコントロールするためには、いいかもしれません。
いかがでしたでしょうか。
最近、話題になっている糖質制限を妊娠糖尿病の方が行って良好な結果を出しているという話が、特に江部康二先生や宗田哲男先生の著作にて報告されています。
確かに、糖質の制限は血糖値の上昇に直結するとは思いますし、それで無事出産もされているとのことなのでその道の専門家の指導のもと行うのはいいかもしれません。
カロリー制限も糖質制限も専門家の指導の元行うのが一番の安全な方法かと思いますので、ぜひかかりつけの医療機関にて相談してみて下さいね。
ちなみに特に医療関係者の方はこちらにも妊娠糖尿病の食事療法について書いていますのでご覧ください。
それでは!
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