あなたが飲んでいる糖尿病の薬は?タイプ4;血糖値の上昇に合わせてインスリン分泌を促し血糖値を下げるタイプ-薬の作用・効果・注意点-

※お薬についての情報提供であって宣伝目的では決してありません。使用にあたっては医師・薬剤師と十分ご相談下さい。

こんばんは。理学療法士のRYUです。

シリーズあなたが飲んでいる糖尿病の薬は?編。これまでまとめてきたのは、

タイプ1;膵臓からインスリンの分泌を促して血糖値を下げるタイプ

タイプ2; インスリンの効きを良くして血糖を下げるタイプ

タイプ3;食後の高血糖を下げるタイプ

でした。

今回は、血糖値の上昇に合わせてインスリン分泌を促し血糖値を下げるタイプの糖尿病のお薬についてまとめていきたいと思います。これは、大きくDPP-4阻害薬と言われているものです。

具体的な商品名でいうと、ジャヌビア錠®、グラクティブ錠®、エクア錠®、ネシーナ錠®、トラゼンタ錠®、テネリア錠®、スイニー錠®、オングリザ錠®、ザファテック錠®、マリゼブ錠®といったものになります。

糖尿病の患者さんでこのタイプのお薬を飲んでいる方は非常に多いかと思います。

このお薬の作用・効果・注意点とはどういったものなのでしょうか。
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DPP-4阻害薬の作用・効果

このお薬の最大の特徴は、血液中のブドウ糖の濃度に合わせてインスリン分泌を促し血糖値を下げるという点です。

例えば、SU薬もインスリンの分泌を促すお薬ですが、基本的な作用はインスリンが分泌される膵臓のβ(ベータ)細胞に出せ出せと促してインスリン分泌を促します。

対してDPP-4阻害薬は、血糖値が上昇してくる(栄養素による刺激がある)と、小腸からインクレチンというホルモンが分泌されて、これがβ細胞からインスリン分泌されるのを促します。

DPP-4というのは、このインクレチンを分解・不活性化(無効化)する働きがあります。それを邪魔してインクレチンが作用しやすくすることからDPP-4阻害薬という名前なのでしょう。

SU薬、DPP-4阻害薬は、その作用が一見同じようですが、

SU薬「(直接β細胞に対して、)β細胞、インスリンを出してくださーい。β細胞、インスリンを出してくださーい。β細胞、インス…(薬の効果が切れるまで繰り返し)」

なのに対して、

DPP-4阻害薬「(インクレチンが血糖上昇を察知し、)β細胞、血糖値が上昇しているのでインスリンを出して下さい」

という感じです(あくまでイメージ)

なので、SU薬は血糖値が低めの時もインスリン分泌を促しているため低血糖のリスクがありますが、DPP-4阻害薬は単独使用では低血糖のリスクは少ないと言われています。

もちろん、併用したら低血糖のリスクはありますよ。

過度にインスリン分泌を促さない(ブドウ糖濃度に応じて分泌を促す)ので、体重が増加しにくいようです。(インスリンの作用の1つに脂肪細胞にブドウ糖を貯め込むというのもあるんです)

また、グルカゴンというインスリンとは反対に血糖値を上げるホルモン(作用としては、肝臓に貯めてある砂糖の塊グリコーゲンを分解してブドウ糖を作り出す)の働きを抑制する効果もあります。

インクレチンについてあと少しだけ

先ほど出てきました、インスリンの分泌を促すホルモンであるインクレチンですが、これにはGLP-1というのと、GIPという2つがあります。2つは分泌される場所や作用が若干異なります。

このうちGLP-1は、膵臓のβ細胞に受容体というGLP-1から司令を受け取る受付みたいなものがあって、GLP-1からの司令でインスリンを分泌するのですが、この「受容体」を活性化することでインスリンの分泌を促すという効果を狙ったものが、GLP-1受容体作動薬になります。

といっても、GLP-1受容体作動薬は飲み薬ではなく注射ですし、このサイトでもまだご紹介していないのですが、ちょうどインクレチン関連なのでご紹介しました。
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DPP-4阻害薬の注意点

先程書いたように、単独使用では低血糖のリスクは少ないですが、SU薬や速効型インスリン分泌促進薬(まだご紹介していません)などと併用している場合には注意が必要です。

また、稀に皮膚症状(薬疹;類天疱瘡[るいてんぽうそう]などの水疱や皮膚炎)が出ることがあります。私は理学療法士ですが、今まで担当させていただきた患者さんの中でDPP-4阻害薬による薬疹になった方は2名いらっしゃいました。

その方は医師の判断でDPP-4阻害薬を中止したところよくなりました。

もしDPP-4阻害薬を使っていて皮膚症状が出た場合には主治医に相談してみて下さい。

腹痛、嘔吐、便秘などの副作用がでることがあります。

いかができたでしょうか。

これまで4タイプみてきました。

糖尿病といっても、

インスリンの分泌が十分でなく場合や、インスリンは分泌されているけれども危機が悪い場合がありますし、日々の血糖値も食後だけどうしても高くなってしまう場合や、常に高めになっている場合などなど色々な傾向があり患者さんによって違ってきます。

なので、どういう部分を改善したら血糖値のコントロールが良くなるのか先生達はよく考えて処方をしてくれているのだなと思います。

私達理学療法士はこれらのお薬の作用や注意点を踏まえて運動の指導を行っていく必要がありますし、運動の注意点もお薬の内容によって変わっていくものと思います。

まだまだ糖尿病のお薬は種類がありますし、先ほどでてきたGLP-1受容体作動薬もあります。これから1つ1つご紹介していきたいと思っていますので、お楽しみに。

それでは!
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