※お薬についての情報提供であって宣伝目的では決してありません。使用にあたっては医師・薬剤師と十分ご相談下さい。
こんにちは。理学療法士のRYUです。
シリーズあなたが飲んでいる糖尿病の薬は?編。これまでまとめてきたのは、
タイプ1;膵臓からインスリンの分泌を促して血糖値を下げるタイプ
タイプ2; インスリンの効きを良くして血糖を下げるタイプ
タイプ3;食後の高血糖を下げるタイプ
タイプ4;血糖値の上昇に合わせてインスリン分泌を促し血糖値を下げるタイプ
です。
今回は、タイプ5になりますが、正直タイプ1にとても良く似ているので、タイトルもタイプ1と似ているものになってしまいました。速効型インスリン分泌促進薬といわれているお薬についてまとめていきたいと思います。
商品名でいうと、スターシス錠®、ファスティック錠®、ナテグリニド錠®、グルファスト錠®、シュアポスト錠®といったものになります。
病院で働いていると、このタイプのお薬を飲まれている方もちらほらいらっしゃいますが、数は少ないような印象もありますね(あくまでも個人の感想ですが)
では、このお薬の作用・効果・注意点などについてみていきましょう。
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SU薬とよく似ている?速効型インスリン分泌促進薬の作用・効果
以前も書きましたが、糖尿病で血糖値が高くなる理由は大きく分けて2つあります。
1つはインスリンの分泌量が減ること
もう1つはインスリンの効きが悪くなること(インスリン抵抗性)
です。
SU(スルホニル尿素)薬は、主にこのうちの「インスリンの分泌量が減る」という所に効いてくる薬になります。
速効型インスリン分泌促進薬の作用は、SU薬と同じように、インスリン分泌をする膵臓のβ細胞に働きかえてインスリン分泌を促すというものです。
その結果血糖値を下げるという作用があるんですね。
では、SU薬と何が違うのかというと、作用する時間です。
SU薬と比べ速効型インスリン分泌促進薬は作用時間が早いことが特徴です。
短時間でインスリンの分泌を促してくれるので、食後の血糖値が高い場合に使われたりするようです。そういう意味ではタイプ3であるα-GI薬にも作用が似ていますね。
またインスリンの分泌を促す能力はSU薬に比べると弱いようなので、その辺でうまくバランスがとれているように感じます。
注意点についてもSU薬と似ています。
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速効型インスリン分泌促進薬の注意点
最大の注意点は、ずばり低血糖です。
インスリンの分泌が促されるので単独使用でも低血糖のリスクが挙げられます。このお薬を飲んでいる方はブドウ糖を携帯しておくといいと思います。
α-GI薬では低血糖になった時にジュースなど飲んでもそのお薬の作用からブドウ糖への分解が遅れるので必ずブドウ糖を摂ってもらうよう書いていますが、速効型インスリン分泌促進薬はブドウ糖がない場合にはジュースや飴でもいいかと思います。(意識障害など著しい低血糖の場合にはジュースや飴なども適切ではない場合もありますが。摂れないときにはすぐに医療機関でブドウ糖の注射や点滴が必要です。)
他の注意点としては、お薬の作用が早いのでその効果を得るためには食前の内服が必要ということです。
一般的には内服してから30分後には効き目が出始めて、1時間後にはその効果は最大になると言われています。
なので、食後に飲んでいたのでは食後の高血糖を改善させるためには少し遅いということが言えるかと思います。
お薬といえば食後というイメージがありますが、このお薬の作用を理解するとその必要性がよくお分かりいただけるのではないかと思いますので、ぜひお気をつけ願えればと。
また、このお薬は2-3ヶ月使用してみて効果が現れない場合には他のお薬も考慮するようにすすめられており、そういう意味でもあまり飲まれている方をみかけないのかなと思います。
外来でかかっている方なんかは半年に1回や2-3ヶ月に1回などで診てもらっている方も多いのではないかと思います。そのような間隔で受診されている方にこの速効型インスリン分泌促進薬を使用してもなかなか効果の評価・判断をしにくいということも考えられますね。
いかがでしたでしょうか。
食前の内服というのは意外と忘れてしまいがちかもしれませんね。
このブログで少しでも作用を理解していただき、正しくお薬を飲んでいただければと思います。
それでは!
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