こんばんは。
理学療法士のRYUです。
糖尿病といえば、好きなものが食べられない。
食事も我慢しなければならない。
ただ、漠然とそんなイメージがありませんか?
糖尿病でもアルコールを絶対ダメというわけではないです。また、間食も絶対ダメというわけではないんです。
条件はあるものの、絶対ダメではないんです。
では、その条件とは?アルコールや間食の考え方について正しく知っていきましょう。
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アルコールの摂取には条件がある
アルコールの摂取を認める条件を書き出していきます。
1 血糖のコントロールが長期に渡って良好
2 糖尿病合併症がないか、あっても軽度である
3 肥満や脂質異常症(特に中性脂肪が高い場合)、高尿酸血症(痛風)がない
4 肝臓、膵臓のご病気がない
5 自制心がある
(糖尿病療養指導ガイドブック2014より引用、一部改変)
アルコールの摂取が認められるには、この5つの条件があります。
なぜ、アルコールの摂取にはこれだけ厳しい条件があるのか。それは、アルコールの摂取が糖尿病の療養にとって良くない影響をおよぼすからです。
アルコールを摂取することで起こりうる害を書き出していきます。
1 食事療法がおろそかになる→血糖値が乱れる
2 中性脂肪の増加、肥満をもたらす
3 インスリンの作用が低下、インスリンの分泌が抑制される
4 アルコール性低血糖になる→酔っているのと間違われやすい
5 肝臓、膵臓に負担がかかる
6 高尿酸血症(痛風)になる
7 アルコール依存症の危険がある
(糖尿病療養指導ガイドブック2014より引用、一部改変)
アルコールを飲むと、お腹がいっぱいになりご飯をあまり食べられない方多いと思います。アルコールの種類にもよりますが、アルコール自体には栄養はまったくありません。なので、ご飯をあまり食べられないと血糖値の値が変動しやすいんです。
「え、ご飯食べられないなら血糖値もあがらないしいいじゃん」と言われそうですがダメなんです。
食事量が落ちると必要な糖をどこかから作り出す必要があります。通常は、肝臓にグリコーゲンという糖の塊が非常用に蓄えられていてそれを分解して血液中に送り出すことで補っているのですが、食事量が落ちているとそれも不十分。そんなとき、体は糖以外の、タンパク質や脂質から糖を作り出します。それが糖新生という肝臓の働きです。
インスリンの効きが悪くなったり、インスリンの分泌も低下するので、血糖値は高めになったり、アルコールは肝臓の糖新生(低くなった血糖を上げるために糖以外のものから糖を作り出す働き)を抑制するので、低血糖にもなりやすかったりします。
つまり血糖値が乱れやすいんです。
アルコール性低血糖は酔っているのと間違われやすく、もし意識が朦朧としている状態にまで悪化していても周りからは「酔っているだけではないか」と思われてしまう可能性があり発見が遅れてしまいます。
以上の理由からアルコールの摂取には、先ほど書いたように飲みすぎない自制心のある方というのも必要な条件にあがっているんですね。
では、アルコール飲んでいいよと先生に言われた場合にはいくらでも飲んでいいのでしょうか。
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アルコールの摂取量
主治医が認める場合には、80-160kcalの飲酒が許可されます。
毎日ではなく、最低週2回は休肝日をとるようにすることが望ましいです。
また、アルコールのお供をする肴も糖質が多いものは避けるべきだと思います。
アルコールで食べすぎてしまう方もいらっしゃいますからね。
80-160kcalというと、どのくらいの量になるのでしょうか。
ビールは350mlの缶1本で約140kcalです。
「糖質ゼロ」と書いてあるものも、要注意です。
糖質ゼロという表示は、100mlあたり0.5g未満であればいいですよと食品表示基準で決まっていて、厳密に0ではないんです。また、アルコールは1gで7kcalと計算することになっているので、市販されているゼロのビールでもおよそ60-100kcal(350ml)程度のカロリーがあります。
焼酎は、60mlで約130kcalありますし、ウイスキーも、シングル1杯で約80kcalあります。
(糖尿病ネットワークホームページより引用)
なので、成分表示をよくみて適量を楽しむことを心がけたいですね。
一部の糖質制限食の方法では、焼酎やウイスキーは糖質をあげないから飲んでもOKということを書いてあるものがありますが、血糖値を直接的にあげなくても、アルコール自体の影響は焼酎であってもビールであってもあるので、必ずしもOKというわけではないのではと思います。
間食の考え方-補食というのをご存知ですか-
間食というとお菓子、ジュースなどが連想されます。
確かに、お菓子やジュースを間食するというのはできれば避けたほうが良いと思います。
しかし、低血糖を予防するという観点から間食をした方がいい場合があります。
特に血糖値の値が安定しない方、激しい運動をされる方は血糖値が下がりすぎ低血糖になる可能性が通常より高いです。
そのような場合に低血糖を予防する観点で、指示されたエネルギー量に追加して食べ物を食べて血糖値の変動(この場合は低血糖)を予防するという考え方があり、これを「補食(ほしょく)」といいます。
補食をするべきかどうかは主治医に相談してみて下さい。
あくまでも、低血糖を予防するという観点から行うものなので、「あーお腹すいたから食べよう」という間食とは違うということを押さえましょう。
補食は、低血糖を予防するために食べるものなので、低血糖の時にブドウ糖やジュースなどを摂るのとは違って、なるべく徐々に血糖値が上がるものが望ましいです。
なので、糖分だけではなく、タンパク質などが含まれている牛乳や、チーズ、クッキーなどが勧められます。摂り過ぎは血糖値を上げすぎてしまうので、もし補食が必要という判断がされた場合には食べる量は相談してみて下さい。
いかがでしたでしょうか。
アルコール摂取、間食ともに条件はあるものの認められたり、むしろ必要だったりする場合があります。
正しい知識をもとに正しい療養生活をしていきましょう。
それでは!
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