(続)糖尿病の本当に怖いのは合併症ですー「えのき」を中心にー

こんばんは。理学療法士のRYUです。

昨日は、「しめじ」をキーワードに糖尿病の合併症を3つ。

「糖尿病神経障害」

「糖尿病網膜症」

「糖尿病腎症」

についてお伝えしました。

まだ読まれていない方は、よろしければこちらからぜひ!

しめじについてです。

さて、昨日に引き続き、今日は「えのき」をキーワードに糖尿病の合併症についてお伝えできればと思います。

「しめじ」だ、「えのき」だと上手く考えてますよね。覚えやすくてとても良いと思うので、皆さんもぜひこの2つの言葉で糖尿病の合併症について覚えちゃいましょう!
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さあ、糖尿病の合併症「えのき」を知ろう

糖尿病の合併症には、「えのき」の頭文字をとってこのようなものもあります。

えのきとは、

「え」… 壊疽(そ;体のある部分が腐敗してしまうことです)

「の」… 脳梗塞(うこうそく)

「き」… 虚血性心疾患(ょけつせいしんしっかん;狭心症や心筋梗塞などの病気のことです)

を指します。

壊疽という言葉はあまり聞き慣れない言葉ですよね。

それぞれの合併症について、お伝えしていきます。

えのきの「え」壊疽(えそ)

壊疽(えそ)は、体の細胞が死んでしまい、腐ってしまう状態のことです(足に多い)。細胞が死んでしまっている状態を壊死(えし)というので、それが進行した状態のことです。

糖尿病では、なにかと足に問題が起こることが多いです。

そのため広い意味で、糖尿病が原因で足に問題があることを「糖尿病足病変」と呼びます。

なぜ、壊疽(えそ)になってしまうのでしょうか。

壊疽(えそ)は、血管に血液が十分に行き渡らない状態(虚血;きょけつ)になることで起こります。虚血は、いわゆる「動脈硬化」から起こります。虚血があると、その先に血液がうまくいかないので、その先にいる細胞に十分栄養がいかずに死んでしまいます(壊死;えし)。それが進むと壊疽(えそ)になるというわけです。

また、糖尿病の方の血液には通常より多い糖分が含まれているので、ばい菌が繁殖しやすいんです。ばい菌が繁殖すると感染症を起こしてしまいやすくなります。

例えば足の傷からばい菌が入った場合には、感染症を起こし、ひどい場合には潰瘍(かいよう)ができて、そこから壊死(えし)してしまったりすることがあります。

昨日書きました合併症「糖尿病神経障害」がある方だと、足の感覚が低下しているので足の構造が変化して「タコ(胼胝;べんち)」や「水ぶくれ(水疱;すいほう)」、「小さい潰瘍」ができやすいです。また、靴ずれなどに気づかなかったり、コタツで足を低温やけどしてしまったりすることがあり、とても注意が必要です。

そのため、病院などでは看護師さんがフットケアといって足の観察の仕方や爪の切り方なんかを教えてくれています。何度か教えてもらったという方もいらっしゃるかもしれませんね。

えのきの「の」脳梗塞

脳梗塞の原因にはいろいろなものがありますが、糖尿病と関係している脳梗塞というと「アテローム血栓性脳梗塞」が挙げられます。

「アテローム血栓性脳梗塞」というのは、簡単に言うと

「血管の内側が硬く、もろくなって、はがれて脳の細い血管につまることから起きた脳梗塞」

といった感じでしょうか。

もう少しだけ、詳しく書いていくと、

糖尿病があると、動脈硬化といって血管が硬くもろくなってしまいやすいんです。

血管の内側に「プラーク」という隆起ができて、それにより血管が狭くなって血流が悪くなります。また、そのプラークというのは、もろく、破れた時にその破片(血栓;けっせん)が血流に乗って運ばれ、さらに奥の細い血管につまってしまうことで脳梗塞となってしまうんです。

これらの血管の変化は、糖尿病の方以外にも高血圧、悪玉コレステロールが高い方、喫煙者では起こりやすいといわれていて注意が必要です。

えのきの「き」虚血性心疾患

虚血性心疾患というのは、先程出てきました「虚血(きょけつ;血管に血流が十分に行き渡らない状態)」が心臓で起こったときのご病気をいいます。

具体的には、狭心症(きょうしんしょう)、心筋梗塞がこれに含まれます。

心臓は、体に血液を送るために頑張っていますが、心臓の表面にも血管(冠動脈;かんどうみゃく)があって心臓にも栄養が送られて動いています。

この冠動脈が一時的に詰まってしまったのが「狭心症」

冠動脈が詰まって、心臓を動かす筋肉(心筋)が壊死してしまったのが「心筋梗塞」

となります。

虚血性心疾患の原因も、さきほど脳梗塞のところでも書いたように、動脈硬化によって引き起こされます。

血管が狭くなりやすく、また詰まる可能性があるということですね。

昨日も書きましたが、合併症「糖尿病神経障害」があると「無痛性心筋梗塞」といって、自覚症状がでない場合があるため非常に危険です。

昨日の記事はここから

いかがでしたでしょうか。

今回は、特に「動脈硬化」に関係した合併症でした。動脈硬化は、全身に起こる可能性のあるものです。「特に足の血管」「脳の血管」「心臓の血管」だけでなく、全身に影響をおよぼす可能性があり、これを予防していく必要性がわかっていただけたのではないでしょうか。

それでは!
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