肥満成人における糖質制限食と従来ダイエットの効果―無作為化比較試験1年のフォローアップ―

こんばんわ!

先日記事に載せた論文の2つ目

The effects of low-carbohydrate versus conventional weight loss diets in severely obese adults: One-year follow-up of a randomized trial.

の感想を書いていきたいと思います。ネットではアブストラクトしか公開されていないため、本稿は読めていませんが、、、

簡単にどのような研究か紹介したいと思います。

対象:BMIが35以上の132人の肥満成人。83%が糖尿病またはメタボリックシンドロームを有していた

方法:ランダムに炭水化物摂取量を1日30g未満(低炭水化物食)に制限するグループと、カロリー制限(1日当たり500kcal制限できるよう脂質からのカロリーを30%未満とした)グループに分けた。

結果:低炭水化物食のグループでは、中性脂肪が有意に低下し、コレステロールはより有意に減少した。少数の糖尿病患者において共変量の調整後、低炭水化物食グループではHbA1cが改善した。体重減少について群間で有意差を認めなかった。

今回の論文は先日の記事で書いた自分が調べてみたいものの内、

  1. カロリー制限を主とした現在の糖尿病治療ガイドは何度も改定はされているもののカロリー制限食の効果を示した根拠が示されていない(ので調べてみたい)

に参考になるものでした。

糖尿病の場合にも低炭水化物食によって中性脂肪やコレステロールにおいて効果が認められているようです。しかしなんといっても本稿を読めていないので、何とも言えないところです。

糖尿病合併症例が対象に入っているとしたら腎症など悪化していないのでしょうか。また、ケトン体の排泄量などもみているのでしょうか。

あと、論文には脱落者が34%と書いてありました。食事療法の実行度はおよそ60%と言われていることから概ね同程度の実行度で行えているとは感じました。

カロリー制限食の効果を調べている論文はまだ探せていませんし、合併症例や1型糖尿病でも有効なのかについてはまだ調べられていませんが、これから少しずつご紹介していければと思います。

それでは!

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