こんにちわ!
糖尿病腎症を合併した場合には、病期によって食事療法の指導内容に若干違いがありますので、今回はそれをご紹介したいと思います。
糖尿病腎症の病期については、こちらの記事をご参照下さい。
まずは、表にまとめま す。
病期 | 総エネルギー
Kcal/kg/体重/日 |
蛋白質
g/kg/体重/日 |
食塩相当量/カリウム
g/日 |
腎症前期 | 25-30 | 1.0-1.2 | 高血圧あれば6g未満/
制限せず |
早期腎症 | 25-30 | 1.0-1.2 | 高血圧あれば6g未満/
制限せず |
顕性腎症期 | 25-30 | 0.8-1.0 | 6g未満/制限せず(高K血症あれば<2.0) |
腎不全期 | 25-35 | 0.6-0.8 | 6g未満/<1.5 |
透析療法期 | 血液透析(HD):30-35
腹膜透析(PD):30-35 |
0.9-1.2
0.9-1.2 |
6g未満/<2.0
PD除水量(L)×7.5+尿量(L)×5(g)/原則制限せず |
腎症前期・早期腎症期
発症予防には、血糖・血圧コントロールが重要です。
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合併症発症予防のHbA1c目標値は7.0%未満、血圧は130/80mmHg未満です。
厳格な血糖値・血圧管理により尿中アルブミン量の減少が可能です。
顕性腎症期・腎不全期
腎不全期以降では、血糖値の管理は原則としてインスリン療法にて行うようです。内服薬はその多くが腎臓で代謝されるため負担軽減のためでしょうか。腎機能が低下してくるとインスリンの必要量が減るため低血糖を起こしやすくなるので注意が必要です。
血圧は125/75mmHg未満を目標にします。高血圧がなくても塩分制限をします。
食事療法の基本は、十分なエネルギーを確保した上での病期に応じた蛋白質制限とカリウム制限、塩分制限です。
蛋白質制限食は腎機能障害の進行を遅らせる効果があるため特に重要です。摂取エネルギー自体を減らしてしまうと、体にある蛋白質の異化(分解のような感じ)が進み、結果的に蛋白質・カリウムを体に負荷してしまうことになりますので注意が必要です。
透析療法期
腎不全期に比べ、水分制限は厳しくなりますが、蛋白質制限は軽減され、カリウム制限もPDでは不要なことが多いです。
今回は、腎症の食事療法の総論みたいになってしまいましたが、、
既に糖尿病腎症をお持ちの方は、今どの病期でしょうか。食事療法はこれに沿って行えているのでしょか。
いい話ではありませんが、透析療法期まで進行すると、維持透析の場合には年間500万円の医療費がかかります。そのため身体障碍者手帳の申請が必要になります。また、他の疾患で透析を導入した方に比べ生命予後も不良だそうです。
ただし透析を導入することでQOL(=quality of life生命の質)が大きく改善することも事実だと思います。
ぜひ、腎症の進行を予防していきましょう。そのためには、ご自身で積極的に調べ専門家を頼りつつも主体的に治療に参加していくことが重要だと思います。医療機関のスタッフは全力でサポートしてくれると思います!
それでは!
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