こんにちは。
理学療法士のRYUです。
約半年くらい前に書いた記事
では、非栄養甘味料(アスパルテーム、スクラロース、ステビオシドなど)いわゆる人工甘味料と心血管障害との関連を調べるために行われたシステマティックレビューをご紹介しました。
結果として、
人工甘味料摂取によるHbA1cやインスリン抵抗性(インスリンの効きの悪さ)の改善に関しては効果があるとは言えないしないとも言えないというものでした。
しかし、2型糖尿病発症のリスクを上げるという結果が出ており、なんらかの要因で人工甘味料の摂取によって糖尿病の発症リスクが高まるということを示唆する内容になっています。
今回、他の食品などに含まれる糖質などによる影響を排除するため、人工甘味料単独で摂取したRCT(ランダム化比較試験)を抽出しメタ解析を行ったものがあったのでご紹介したいと思います。
<スポンサーリンク>
人工甘味料の摂取は血糖値に影響を及ぼさない
European Journal of Clinical Nutritionに掲載された今回のメタ解析は、29のRCTを抽出し行われました。
これらの研究の対象者は合計741人。ほとんどが健康であり、69人は2型糖尿病、150人の健康状態は不明という内訳です。
今回対象になっている人工甘味料はサッカリンとアスパルテーム、ステビオール配糖体、スクラロースの4種類で、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、イソマルト、水素化デンプン加水分解物などの糖アルコールは含まれていません。
メタ解析の結果では、人工甘味料を摂取しても血糖値にはベースライン時から上昇はみられず、人工甘味料は血糖値には影響しないことが分かったそうです。また、4種類の人工甘味料の間で血糖値への影響に差はみられませんでした。
<スポンサーリンク>
人工甘味料なら摂り放題というわけではない
人工甘味料の摂取自体では血糖値をあげることはないとした今回の研究ですが、同時に「だからといって食べすぎて良いわけではない」ことにも注意が必要だとのことです。
今回の研究では人工甘味料を単独で摂取した場合を調べていますが、日常生活を送る上で人工甘味料を単独で摂取することはほぼありません。
例えば、ゼロカロリーの飲料、人工甘味料を使用したデザートには他の炭水化物、タンパク質、脂質が含まれています。
たくさん食べればそれだけ他の栄養も摂取することになるので、そちらに注意が必要ということです。
人工甘味料の考え方に関しては医療機関によっても違うところがあるかもしれません。
人工甘味料自体は血糖値を上げないとはいえ、甘いものを定期的に摂取することで習慣がつき、人工甘味料が使われていない食品に手を出してしまったりなど自分に甘えてしまったりする可能性があります。
そのあたりの自制心と、正しい知識をしっかり理解したうえで正しい摂取をしていきたいですね。
それでは!
<スポンサーリンク>