こんにちは。理学療法士のRYUです。
糖尿病の方、もしくは糖尿病の療養にかかわっている方であれば聞いたことのある言葉であろう「シックデイ」
シックデイというのはsick dayのことで(そのまんまですが、、)
sick・・・健康な状態をそこなった
day・・・特定の日
sick day・・・健康な状態をそこなった特定の日
のことを指し、特に発熱や下痢、嘔吐などの症状により血糖値のコントロールが難しくなっている状態のことをいいます。
いわゆる風邪、外傷、感染症などで起こります。
どうして、そんなにシックデイシックデイというのかというと、対応を間違えると命にかかわる可能性があるからです。
そんなシックデイのときの対応をシックデイルールといいます。
今日は、もし風邪などをひいて体調が悪くなってしまった時(シックデイ)に何を気をつけたら良いのか、病院などに受診するタイミングはどう理解しておけば良いのかなど、シックデイに焦点を当ててまとめていければと思います。
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目次
まずはこれを押さえておこう!シックデイルール
まずは、シックデイルールを押さえましょう。
①安静と保温に努め、早めに主治医または医療機関に連絡する。
②水やお茶などで水分摂取を心がけ、脱水を防ぐ。
③食欲がなくても、おかゆ、果物、うどん、ジュースなどで炭水化物を補給する。
④インスリン治療中の患者では自己の判断でインスリンを中止しない。
1)食事摂取ができなくても、インスリンを中止しない。
2)血糖自己測定(SMBG)を行いながら、増減の目安を参考にインスリン量を調整する。
⑤経口血糖降下薬、GLP-1受容体作動薬は種類や食事摂取量に応じて減量・中止する。
⑥入院治療が必要な時は、休日でも電話連絡をしてから受診する。
⑦医療機関では、原疾患の治療と補液による水分・栄養補給を行う。
【糖尿病療養指導ガイドブック2014,メディカルビュー社より引用】
発熱や下痢または嘔吐があって、食欲もなく体調が悪いなと思ったら、医療機関に連絡をして対応を相談しましょう。
脱水状態にならないためには、水分の摂取は非常に大切です。摂取の目標は、1時間あたり100mlで少なくとも1~1.5Lは1日に摂取するようにしましょう。
また、何も食べないということがないように、食べやすいもの(ジュースやアイスクリームなどでも可、おかゆ、果物、うどんなど)を摂取するようにしましょう。
病院に受診をする基準は?
風邪なら放っておけば治るでしょというのは、絶対にやめましょう。
あくまでも目安ですが、病院に受診する必要がある場合は次のような時になります。
①嘔吐や下痢が激しく、1日以上続き、食事摂取が不可能な状態が続くとき。
②高血糖(350mg/dL以上)と尿ケトン体陽性が1日以上続くとき。
③38度以上の高熱が2日以上続き、改善傾向がみられないとき。
④腹痛が強いとき。
⑤胸痛や呼吸困難、意識混濁が見られるとき。
⑥脱水症状が激しい、あるいは著しい体重減少がみられるとき。
⑦インスリン注射量や経口血糖降下薬の服用量が、自分で判断できないとき。
【糖尿病療養指導ガイドブック2014,メディカルビュー社より引用】
これは、患者さんが目安にするというよりは、医療機関が話を聞いて「それでは一度受診して下さい」と判断するかしないかの基準になるかなと思います。
なので、みなさんは、病院にまず連絡して下さい。
そして、
①下痢や嘔吐、発熱などの風邪症状の程度(どの程度か、どのくらい続いているか)
②(血糖値が自分で測れる方は)血糖値がどのくらいか
③食事がとれているかとれていないか
④インスリンや糖尿病の薬をどのようにしているか(きちんと飲んでいるか、飲めていないかなど)
を病院に伝えてもらえればいいかと思います。
自分の経験則ですが、例えば高齢の方でお一人暮らしなんかだったりすると入院して治療しましょうということになる場合が多いです(あくまで経験則です)。
まずは病院に連絡ですね!
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シックデイの場合は糖尿病の薬は飲むべき?インスリンは打つべき?
あくまでも病院に判断を相談するということが大原則になります。自己判断は危険なのでやめましょうね。
糖尿病の薬(経口血糖降下薬)は、食事量に合わせてその量を調整します。
糖尿病の薬には、色々な作用の薬があって、その作用の違いにより少し調整が異なりますが、食事量が普段の1/3以下の場合には中止になることが多いようです。
また、インスリン治療を行っている方の場合ですが、インスリンにもその効果により種類がたくさんあるので、種類によって調整が異なります。
また、1型糖尿病と2型糖尿病でも対応が変わってきますので、病院に連絡して指示されたように行って下さい。
何度も言いますが、自己判断は危険なのでやめましょうね。
出かけ先でシックデイに。初めての病院に受診する場合
みなさん、普段からずっと家にいるわけではないですよね。仕事で出張していたり、旅行で県外に出られていたりなど、いつ体調が悪くなるかはなかなか予測できないです。
もし、出先で体調が悪くなって病院を受診する際には、以下の情報を伝えられるようにしておきましょう。
①糖尿病連携手帳(糖尿病治療中の医療機関・主治医名)
②糖尿病罹患期間と合併症の有無
③糖尿病の治療内容と治療薬の種類・量
④糖尿病以外の治療薬の種類と量
⑤最近の血糖コントロールの状態(血糖値、HbA1c)
【糖尿病療養指導ガイドブック2014,メディカルビュー社より引用】
なので、出かけている時には、
①糖尿病連携手帳
②おくすり手帳
③(合併症によっては)糖尿病眼手帳など
これを持っていると、見せるだけでだいたい情報が載っています。
ただ、何も書かない手帳は何の情報にもならないので、しっかり内容を記載しておくようにしましょうね。
おくすり手帳も、最近では処方された薬の種類や量をシールで渡してくれるので、それを忘れない内におくすり手帳に貼るようにしましょう。
いかがでしたでしょうか。
もし、体調を崩してしまっても、あわてずに、まずは病院に連絡して対応を相談して下さい。
それでは。
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