こんにちは。
理学療法士のRYUです。
「GI」(グリセミックインデックス,グライセミックインデックス)という言葉はダイエットや糖尿病に関してよく耳にする言葉で、よく「低GI」は糖尿病にいいとか、ダイエットにいいとかいう話を聞きます。
実際にGoogleで検索してみるとこのような関連キーワードが出てきます。
そこで、今回はGIとは何か、また、GIで参考にできることの限界と、新たな考えGL(グリセミックロード,グライセミックロード)についてご紹介できればと思っています。
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GI(グリセミックインデックス,グライセミックインデックス)とは
グリセミックインデックス(グライセミックインデックスとも)(以下、GI)とは、ブドウ糖50g摂取後2時間までの間の血糖値の上昇する度合いを100としたときに、対象となる食品に含まれる炭水化物50gで上昇する血糖値の度合いを表したものです。
炭水化物も糖分も最終的にはブドウ糖(グルコース)まで分解されて体に吸収されます。
そのため、初めからブドウ糖を食べたときの血糖の上昇を100として、他の食べ物を食べたときには血糖値はどのくらいあがりやすいの?というのを計算したものです。
なので、GIが100を超えることはないです。
GIの値が高いほど、食後の高血糖が起こる可能性があり、GIの値が低いほど食後の血糖値の上昇は穏やかになります。
「どのくらいのGI値だと高いのか」
という分類は、目安としてシドニー大学ではブドウ糖を基準とした場合、GIが70以上の食品を高GI食品、56~69の間の食品を中GI食品、55以下の食品を低GI食品と定義しているようです。
どの食品がどのくらいのGI値なのかについては今後ご紹介していきたいです。
GIと健康について研究されたものでは、
Chung-Jung Chiuらによれば、GI値の低い食べもので食生活を組み立てた場合には2型糖尿病と心臓病のリスクが低くなると報告されています。
(Chung-Jung Chiuら;Informing food choices and health outcomes by use of the dietary glycemic index,Nutr Rev,2011,69(4),pp231–242)
しかし一方でGIについての知識を一般の方に正しく知ってもらうことが必要だとも指摘しています。
低GIを意識して食事を摂るようにすることで急激な血糖値の上昇が抑えられるので、糖尿病の予防になると思われますが、
GI値だけで食事の組み立てを行うことには限界があります。
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GI値の限界
GI値はブドウ糖摂取と比較した血糖値の上昇度合いを表します。
そのため、元々食品に炭水化物量が少ないもの、例えば肉類や野菜類などについてはその計測が難しい場合が多いです。
具体例がWikipediaに載っていたので転載します。
豚モモ肉は100gあたり炭水化物量が0.2gのため、およそ25kg摂取しなければ測定できない。絹ごし豆腐は100gあたり炭水化物が2gなので、おおそ2.5kg摂取しなければ測定できない。
(Wikipediaより引用)
そのため、食事すべてをGI値をもとに組み立てることは困難です。
あくまでも白米を玄米などの全粒穀物に変えたり、パンを全粒穀物使用のパンに変えるなど部分的な変更をするのにはGI値は大変参考になるものだと思われます。
また、低GIであっても量をたくさん摂取してしまえば結局意味がありません。
白米ご飯1杯と玄米ご飯一杯では、玄米ご飯一杯の方が血糖値の上昇は穏やかで低く抑えられますが、白米ご飯1杯と玄米ご飯3杯では玄米ご飯1杯食べる方が血糖値が上昇する可能性があるという感じです。
食べすぎは何でもよくないということですね。
GL(グリセミックロード,グライセミックロード)とは
GI値はブドウ糖50gとある食品の炭水化物50gを比較していますので、同量であることが特徴です。
しかし、毎回毎回50gの炭水化物を摂取するのは無理ですね。
まず50gの炭水化物ってどのくらいだって思います。
そこで考えられたのが、GI値に食品100gあたりの糖質の量をかけるというGL(グリセミックロード,グライセミックロード)という考え方です。
これであれば料理などに使われる食材のGI値と量がわかれば、その料理で上昇する血糖値の程度を把握することができるというわけです。
Salmerón Jらによれば、高GLの食事摂取で女性の2型糖尿病の発症リスクが上がることを報告しています。
(Salmerón Jら;Dietary fiber, glycemic load, and risk of non-insulin-dependent diabetes mellitus in women,JAMA,1997,277(6),pp472-477)
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