糖尿病神経障害(総論)

こんにちは!

今日は糖尿病神経障害についておおまかに概要を書いていけたらと思っています。

糖尿病神経障害は糖尿病における三大合併症の1つです。有病率は、診断基準が統一されておらず5-60%と大きな開きがありますが、臨床上糖尿病患者に手足の痺れの有無を聞くと痺れを自覚されている方は多くいらっしゃる印象があります。

糖尿病神経障害は大きく分けて2つに分類されます。

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  1. 広汎性左右対称性神経障害(多発性神経障害)
  2. 単神経障害(単一性神経障害)

です。

  1. は、いわゆる手足の痺れ(手袋靴下型)として現れる感覚・運動神経障害と、起立性低血圧などに代表される自律神経障害です。
  2. は、顔面神経麻痺、動眼神経麻痺、外転神経麻痺などの脳神経障害や糖尿病筋萎縮として現れます。

  1. は実に様々な症状を呈しますが、手足の感覚が鈍くなることでちょっとした怪我や火傷にも気づかず、その傷が悪化して最悪切断に至る場合もあり注意が必要です。また、無自覚性低血糖といって低血糖症状に気づかず、また血糖値を上昇させるホルモンの分泌もされなくなるので、突然意識を失うといったことも起こりえます。
  2. は、血糖コントロールとは無関係に自然軽快することが多いようですが、自律神経障害など他の神経障害を伴っていることが多いようです。

糖尿病神経障害は自覚症状として現れる合併症であり、患者も普段からかなり生活に煩わしさを感じていることが多いのではないかと思います。軽度の神経障害であれば血糖コントロールと喫煙・飲酒などの生活習慣改善で改善することが多いようなので、神経障害は早期の発見と対策が必要な合併症だと思います。

全身の神経に影響してくるものであり、様々な症状が現れます。いずれ、それらについても書いていけたらと思っています。

それでは!

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コメント

  1. […] Blood pressure circadian rhythms and adverse outcomes in type 2 diabetics diagnosed with orthostatic hypotension,Jing Chang,Journal of Diabetes Investigation,2017 (↑リンクで飛べます) ・対象 入院中の2型糖尿病患者173名(起立性低血圧を伴う者61名、伴わない者112名) ・方法 24時間自由行動下血圧測定を行い、その後平均45±10か月の転帰先を調査した。 ・結果 起立性低血圧を伴う者では夜間の血圧(収縮期・拡張期ともに)高値であった 起立性低血圧を伴う群では伴わない群に比べ死亡率が有意に高かった(11.48%対2.68%:p=0.014) 起立性低血圧を伴う群では伴わない群に比べ脳心血管イベント発生率が有意に高かった(37.70%対8.93%:p<0.01) 先日記事に書きました、糖尿病神経障害が合併している場合には、自律神経障害を伴うと起立性低血圧が生じることがあります。 糖尿病神経障害の有病率は5-60%と幅があるとはいえ、注意しなければならない合併症の1つです。 血糖コントロールの改善により症状が軽減することがあるようなので、日々の血糖管理に留意していただきたいところです。 それでは! […]

  2. […] 総論については、こちらをご参照ください! […]

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