新たな血糖測定器「フリースタイルリブレ」をご存知ですか?

こんばんは。

理学療法士のRYUです。

ちょっと遅かったですが、サムネイルを2018年新年バージョンにしてみました。

改めて今年もよろしくお願いします。

突然ですが、糖尿病の方で、特にインスリン治療をされている方に朗報です。

2017年9月1日より、フリースタイルリブレがすべてのインスリン患者さんに保険適応となりました。

朗報にしては、こちらも少し遅いですが、、(すみません)

「フリースタイルリブレ」とは何ぞや。

今まで血糖値を測定するときには、専用の器具を使って指先にパチっと針を刺して毎回血液を出し、試験紙に血液を付けて測定器に差し込むという作業を毎回毎回行う必要がありました。

微量とは言えども毎回出血・痛みを伴い、患者さんにとっては大きな負担になっていると思います。

また、高齢の患者さんの場合には、測定する手順や方法を覚えるだけで一苦労でした。

フリースタイルリブレは、このような毎回血糖値を測定する手間が省ける優れものです。

今回は、フリースタイルリブレについてご紹介していきたいと思います。
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今までの血糖測定との違い

今までの血糖測定は、毎回指先に針を刺して血液を出して測定することが必要でした。

従来の血糖測定方法を血糖自己測定(self-monitoring of blood glucose:SMBG)といいます。

フリースタイルリブレは、あらかじめセンサーを腕などにつけておくことで、そのセンサーが血糖値を測定してくれます。

1分おきに血糖値を測定してくれ、15分おきに機器に自動記録してくれるので、より精度の高い血糖値の変化を知ることができます。

もちろん、ご自身で今の血糖値を知りたいと思ったときにも機器をセンサーに近づけることで測定値を確認することも可能です。

このように連続的に血糖値を測定することを、連続グルコースモニタリング(continuous glucose monitoring:CGM)と言います。

血糖値の測定は回数が多いほど血糖コントロールがいいとする報告(Miller KM et al.Diabetes Care,2013,36: 2009-2014)もあり、連続的に血糖値を測定できるフリースタイルリブレはその最たるものだといってもいいと思います。

従来の血糖測定方法ではやはり多少痛みを伴うので、ついつい測定がおろそかになってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そのような方も、一度センサーをつければ1分おきに測定してくれて、血糖値を知りたいときにはすぐにわかるというのは魅力的なのではないでしょうか。

フリースタイルリブレはセンサーとリーダー(読み取り器)の2つ構成

フリースタイルリブレはセンサーとリーダーの2つから構成されています。

まず、

センサーは腕につけて実際に血糖値を測定するものです。

大きさは直径35㎜、厚さ5㎜で、だいたい500円玉の2回り大きいくらいのものです。

一度センサーをつけると交換まで最長14日間らしいです。

防水加工されているので、つけたままでお風呂やプールなどに入ることもできます。(ただし、30分以上水に浸したり、水深1m以上もぐったりすることには対応していないようです)

MRIやCT、レントゲンを撮る場合にはセンサーは外しておく必要があるようなので、そのような時には新しいセンサーと付け替える必要があります。

リーダーは、センサーで測定した血糖値を実際に見える化する機器です。

ポケットWi-Fiのような形をしていて(分かりにくくてすみません)、デジタル画面で血糖値の数値を見たり、1日の血糖値の変動をグラフで確認することもできます。

タッチパネルになっているので、操作は簡単に行えると思います。

リーダーをパソコンとつないで、パソコン上で測定したデータの管理を行うこともできるようです。

今までの血糖値測定とは全く異なるものですね。
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連続で血糖値を測定してわかること

従来の測定(SMBG)は、ある時点での血糖値はわかりますが、1日の中での変動や夜間寝ている時の血糖値などはわかりませんでした。

しかし、連続で血糖値を測定するフリースタイルリブレは1日の中の変動や夜間寝ている間も1分おきに測定し、15分おきに記録してくれるので、自分の血糖値が1日の中でどう変わるのかや、寝ている時に血糖値がどうなっているのか、もし低血糖になってしまう頻度が多い時にどのような時間帯になりやすいのか、食事の前後で血糖値がどのように上下しているのかなどの傾向を把握することに非常に役立ちます。

また、無自覚性低血糖という数字上は血糖値が下がりすぎているのに、自覚症状がでないために気づけないといった特殊な状況においてもそれを把握することにつながります。

フリースタイルリブレが使えない場合

プラリドキシムヨウ化メチルという解毒剤を使用している場合には、実際の血糖値よりも高い値が出るようなので、注意が必要です。

また、妊娠中の方、人工透析を受けている方、6歳未満の子供には使用できないようです。

さらに、ペースメーカーなど体に埋め込む医療機器を使用されている方も使用はできないようです。

これらは、フリースタイルリブレの添付文書に記載されていました。

なので、糖尿病関連でいえば、妊娠糖尿病の方や糖尿病合併妊娠の方、糖尿病腎症により人工透析を受けている方、1型糖尿病の6歳未満の患者さんには使用できないということになりますね。

少し難しいですが、詳しくは添付文書をお読みいただければと思います。

センサーの添付文書

リーダーの添付文書

フリースタイルリブレを扱っているアボットのホームページ

いかがでしたでしょうか。

連続的に血糖値を測定でき、さらに毎回血液を出す必要のない今回のフリースタイルリブレは今後どんどん普及していくのではないかと思います。

測定された結果をもとにより個々の患者さんに合った治療やインスリンの量の設定なども可能になるだけでなく、患者さん自身の治療に対する関心も高まるのではないかと思います。

私の勤務する医療機関ではまだ使用している方をお見かけしたことはありませんが、いついらっしゃっても対応できるように、私も日々学んでいきたいと思っています。

それでは!
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