あなたが飲んでいる糖尿病の薬は?タイプ2;インスリンの効きをよくして血糖を下げるタイプー薬の作用・効果・注意点ー

※お薬についての情報提供であって宣伝目的では決してありません。使用にあたっては医師・薬剤師と十分ご相談下さい。

こんにちは。理学療法士のRYUです。

糖尿病の薬には色々な種類があります。なので、その薬の種類によっては気をつけなければならないことも変わってきます。

先日書きましたSU薬(グリメピリド®やアマリール®)の気をつけることは、低血糖や体重増加でした。

今回ご紹介したいと思うのは、BG(ビグアナイト)薬と呼ばれるもので、商品名でいうとメトグルコ®やメトホルミン®などといったお薬になります。

これも、飲まれいている方は非常に多い印象があります。

どうやって糖尿病に効くのか、注意しなければならないことなどをまとめていきます。

BG(ビグアナイト)薬の作用・効果

糖尿病で血糖値があがってしまうのには大きく2つの理由があります。

1つはインスリンの分泌量が減ること

もう1つはインスリンの効きが悪くなること(インスリン抵抗性)

です。

BG(ビグアナイト)薬は、主に「インスリンの効きが悪くなる」方に効くお薬になります。

血糖値は、言ってみたら血液に流れている糖分のことです。

この糖分は、食べ物を吸収したりして増える以外に、肝臓で蓄えてある砂糖の塊(グリコーゲンといいます)が分解されて血液に流れることでも増えます。

逆に血糖値を下げるには、肝臓で砂糖の塊として貯め込む、腸で糖分を吸収し細胞での消費、脂肪へ糖分を貯め込む他に、筋肉を動かすためのエネルギーとして使用されるということがあります。

BG(ビグアナイト)薬は、肝臓で蓄えられている砂糖の塊が分解されることを防いだり、腸で糖分が吸収されにくくしたり、筋肉などの組織で糖分が消費されることを促したりして血糖値を下げます。

お薬の添付文書をみてみると、食事療法+運動療法+SU薬を飲んでいるが血糖値のコントロールがうまくいかない場合に使うと書いてありますが、食事療法+運動療法+BG薬と、単独で使用されることもあるようです。

みなさん、基本は食事療法+運動療法だということ、重要ですよ!(理学療法士なので強調)

次に、注意点ですが、1つはSU薬の時も言いました、低血糖ですが、もう1つ重要な注意点があります。
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知っていますか、「乳酸アシドーシス」

乳酸アシドーシスという言葉をご存知でしょうか。あまり聞き慣れないかもしれないですね。

乳酸という酸が体に過剰に溜まってしまうことで、体が通常より酸性に傾く(アシドーシス)ことで起こる様々な症状であり、かなり危ないものです。

主な症状は消化器症状で、嘔吐や下痢、腹痛、食欲低下などが出て調子が優れない場合には病院へ相談してみましょう。

脱水などで起こることがあるようで、脱水に気づきにくいご高齢の方(特に75歳以上)には慎重な投与が必要です。

また、このお薬はお薬が体の中に溜まったまま排出されにくかったりするので腎臓が一定以上悪かったり(透析なども含む)、乳酸は肝臓で分解されるので肝臓が悪い方には禁忌となっています。また、肝臓に負担がかかってしまうので。アルコールの大量摂取も禁止です。

糖質制限という観点では、焼酎などは糖質含まれていないですが、こういうお薬との兼ね合いもあるので、そもそもアルコールは基本的に飲まない方がいいかと。(私はあまり飲む方ではないので特にそう思ってしまいます)

あとは、低血糖です

先ほども書きましたが、SU薬と併用して飲んでいる場合には特に低血糖の注意が必要です。

単独で飲んでいる場合にも、不規則な食事や、絶対的な食事量が少ないということはやめましょう。また、激しい運動も控えたほうが良いでしょう。

つまり、この薬の作用を増強させてしまうような場合には注意が必要です。

作用を思い返してみましょう。

例えば、肝臓で蓄えられている砂糖の塊が分解されることを防いだり、腸で糖分が吸収されにくくしたりするという作用です。

不規則や食事や食事量が絶対的に少なかったりすると、血糖値の上がり下がりが不規則になってしまいます。血糖値が下がってきた時に体は血糖値をあげようとします。とうやってあげるかというと、1つには肝臓での砂糖の塊を分解してブドウ糖にして血液に流してあげるというのがあります。しかし、これはお薬で作用がブロックしてしまっています。

また、筋肉などの組織で糖分が消費されることを促す作用もありますよね。激しい運動では、ブドウ糖が消費されすぎてしまって低血糖になってしまう可能性があります。

規則正しい食生活と、適度な運動が必要です。

激しい運動をする習慣がある方では、運動中に簡単な食べ物を食べたり(補食や間食)で対応可能な場合もあるかと思うので、主治医に相談してみて下さい。
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糖尿病の薬が効かなくなる主な原因について

今回のBG薬に限った話ではありませんが、一般的に糖尿病のお薬が効きにくくなってしまう原因として以下が挙げられます。

1 食事療法、運動療法の乱れ

2 内服の中断や、容量の乱れ

3 ストレス

4 インスリンの効きが悪くなる(インスリン抵抗性の増大)

5 肝炎、肝硬変などの悪化

6 高血糖を生じるお薬の併用(ステロイドなど)

7 インスリン分泌の低下(緩徐進行型1型糖尿病、高血糖による膵臓β細胞の疲弊、膵臓の病気によるβ細胞の破壊)

(糖尿病療養指導ガイドブック2014より引用;一部改変)

1と2に関しては、BG薬の低血糖の原因としても挙げられています。

なにが言いたいかというと、食事療法と運動療法はしっかり行いましょうね。ということです。

外来通院の方を対象に糖尿病の運動指導が理学療法士だと関わりにくいです。なぜなら、リハビリテーションの算定(保険診療)は疾患別になっていて、糖尿病という疾患では基本的にはリハビリテーションが行えないからなんですね(入院の場合には可能な場合もあるかと思いますが)。なので、もどかしいところなのですが、気になることが合ったら外来看護師さんに伝えてみて下さい。私達理学療法士は、ご相談に乗る準備はいつでもできているんです。

それでは!
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