あなたが飲んでいる糖尿病の薬は?タイプ1;膵臓からインスリンの分泌を促して血糖値を下げるタイプー薬の作用・効果・注意点ー

※お薬についての情報提供であって宣伝目的では決してありません。使用にあたっては医師・薬剤師と十分ご相談下さい。

こんばんは。理学療法士のRYUです。

以前にも医療関係者向けに書きましたが、今回は一般の方向けに書いていきます。

糖尿病の薬には色々な種類があり、作用が違うので気をつけることも違ってきます。みなさんは、ご自身が飲んでいる薬がどんな薬なのかを知っていますか。

今日は色々な種類の糖尿病の薬の中でSU(スルホニル尿素)薬についてまとめます。

「名前が全然違うから自分の飲んでいる薬ではないな」

いえ、ちょっとお待ち下さい。

SU(スルホニル尿素)薬というのは、薬の大きな分類の名前なので実際に処方される薬の名前とは異なります。

カレーライスに例えると、同じカレーでもシーフードカレーや夏野菜カレー、ドライカレーなど色々な種類がありますよね。

いわゆるカレーライスにあたるのがSU(スルホニル尿素)薬で、シーフードカレー、夏野菜カレー、ドライカレーにあたるのが「グリメピリド®」「アマリール®」などになります。

「グリメピリド®」「アマリール®」は実際にみなさんが飲まれている可能性のある薬の名前なので、もしかしたら「あ、これ飲んでる」という方も多いのではないでしょうか。
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SU(スルホニル尿素)薬の強力な作用・効果

糖尿病で血糖値が高くなる理由は大きく分けて2つあります。

1つはインスリンの分泌量が減ること

もう1つはインスリンの効きが悪くなること(インスリン抵抗性)

です。

SU(スルホニル尿素)薬は、主にこのうちの「インスリンの分泌量が減る」という所に効いてくる薬になります。(一部インスリンの効きも良くするものもあるようですが)

インスリンの分泌は「膵臓のβ(ベータ)細胞」という所から分泌されるのですが、SU(スルホニル尿素)薬はこのβ細胞に働きかけ、インスリンの分泌を促します。

インスリンの分泌が促されるので、血糖値を下げることができるというわけですね。

この作用は強力なようで、しっかり血糖値を下げてくれるのですが、さっそく処方されて飲み始めても効かない場合もあります(一次無効といいます)。また、飲み始めた当初はしっかり効いていても徐々に効かなくなってくることもあります(二次無効といいます)。

そのような場合には他のタイプの薬を追加したり、薬自体の量を増やしたり、インスリン治療に切り替えるなどしていきます。

私は理学療法士なので普段薬の処方に関わることはないのですが、血糖値を下げる効果が強力な薬のため、処方される場合には少しの量から初めて、血糖値やHbA1cの数値をみながらすこしずつ調整していくもののようです。

次に、気をつけること(注意点)ですが、これもSU(スルホニル尿素)薬の強力な血糖値を下げる作用の裏返しになります。
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低血糖に要注意!

SU(スルホニル尿素)薬は、血糖値を下げる効果が強力なため逆に血糖値が下がりすぎてしまうことがあり、(いわゆる低血糖です)注意が必要です。

なので、このタイプの薬を飲んでいる方は必ずブドウ糖をポケットなりバックなりに忍ばせておいていただき、もし低血糖症状が出た場合には、そのブドウ糖を飲むようにして医療機関を受診してみて下さい。

また、このSU(スルホニル尿素)薬は、最終的に肝臓や腎臓から体の外に出されるようになっています。高齢の方や肝臓・腎臓が悪い方の場合には、うまく体の外に出せなかったりして、薬の作用が長引くことで低血糖症状が長引く(遷延化)可能性がありますので注意が必要です(もちろん先生たちはきちんとその辺も踏まえて処方していると思うので、注意が必要というのは低血糖症状にという意味です)。

そして、最後にしっかり食事を摂るということです。SU(スルホニル尿素)薬は強力な血糖値を下げる効果があるので食事を摂らないと低血糖の可能性を高めてしまいます。以前「シックデイ」について書いたときにも少し書いたかと思うのですが、体調が悪く、下痢や嘔吐、発熱が続く場合で食事が摂れない時には医療機関に相談して飲む量はその支持に従っていただければと思います。

その他 体重が増える

体重が増えやすいです。

インスリンというのは血糖値を下げる効果がありますが、それだけではなく脂肪を作り出してそこに血糖値をしまったり(脂肪にしまうので血液中の糖分である血糖値が下がります。)する働きもしているので、SU(スルホニル尿素)薬を飲んでインスリンがいつもより多く出ると、その作用で脂肪が作り出されるために体重が増えるとされています。

さいごに

いかがでしたでしょうか。

私も普段病院で勤務していると、このSU(スルホニル尿素)薬の薬を飲んでいる方は比較的多い印象があります。

しかし、どれだけの方が低血糖の危険性を認識して下さっているのかは怪しい部分もあります。

これを機に注意点をしっかりと把握して安全な療養生活を送っていただければと思います。

糖尿病の薬によっては、その薬のみだと低血糖の心配がほとんどないものもあります。逆に、他の症状に気をつけなければならなかったりするので、また違う種類の薬についても、ここでご紹介していけたらと思っています。

以前書いた医療関係者向けのSU(スルホニル尿素)薬についての記事もご覧ください。

それでは!
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