糖尿病で災害時に気をつけたい食事やインスリンの5つのこと

こんにちは。理学療法士のRYUです。

最近、北朝鮮によるミサイル発射や水爆実験など隣国にいる日本としては気が気ではないニュースをやっています。また、都内でも先日集中豪雨が発生し多くの被害が出たほか、今後は首都直下型地震などの可能性もあるなど、災害はいつ起こるのかわからない状況ながら逆にいつ起こってもおかしくない不安もあります。

普段から非常持出袋や緊急時の連絡先、非常時の避難場所など把握されている・準備されている方もいらっしゃると思います。今回は、糖尿病の方の場合に特に災害時注意したいところについて4つにまとめていこうと思います。
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避難所での食事はバランスが偏りやすい

避難所では、菓子パンやおにぎりなどの炭水化物が多く支給されることが多いそうです。

生きるためのエネルギーを摂取することは絶対的に必要ですが、血糖値のコントロールが乱れやすいことを認識しておくことが必要だと思います。

野菜がある場合には積極的に摂るようにしましょう。

また、野菜がなくても(その方が多いと思いますが)ゆっくり食べたり、おかず(レトルト食品や、缶詰など)がある場合には炭水化物は最後に食べるようにするなどして血糖値の急激な上昇を抑えましょう。

また、食事が十分に摂れなかった場合、普段通り薬を飲んだり、インスリンの注射をすると後述します、「低血糖発作」という発作を起こしてしまう可能性があります。食事が摂れなかった際の薬の飲み方や、インスリンの打ち方(単位)などは、あらかじめ主治医と相談しておくと良いと思います。

薬がなくてもお薬手帳・糖尿病手帳(又はコピー)は持ち歩こう

薬は1-2週間分は普段から持っておくことがおすすめされています。また、非常袋にいれておくでもいいでしょう。しかしなかなか難しいという場合(非常袋なんか普段持ち歩かないので勤務先で被災した場合などにはまるで意味がなくなってしまうので)、お薬手帳・糖尿病手帳(もしくはコピー)は持ち歩くようにしましょう。

具体的に薬名や容量を覚えている場合にはいいかもしれませんが、お薬手帳は実際に処方されていることの証明になるので、災害時に処方してもらう際に役に立つでしょう(普段から処方箋のシールをしっかり手帳に貼っておいてくださいね)。

糖尿病手帳は、救援スタッフが、その方の合併症の有無や血糖値の経過などを知ることができるので、的確な薬の指導や療養指導を受けることができるかと思います。

できれば、お薬手帳・糖尿病手帳・保険証なんかは、まとめて印刷してコピーを何枚か分散させて持っておくと良いと思います。(車の中、鞄の中、財布の中、家など)

しかし、一番はちょっと多めに薬を持ち歩くことでしょう。

非常時にはインスリンの消毒は最悪しなくてOK

非常時にはインスリンの消毒はしなくてもOKです。針もないのであれば複数回使用することもOKです(複数回使用すると刺さりにくくなるらしいですがOK;空打ちしてきちんとインスリンが出るか要確認!なるべく手は洗うなど清潔に!)

また、インスリンの使用期限が多少過ぎていてもOKだそうです(使用の継続を優先させる)

ただし、他人の使った針を自分に使う(又はその逆で自分が使っている途中の針で他人に打つ)は絶対ダメです。あげたり、もらったりは未使用品であればOKです。

1型糖尿病の方の場合には、インスリンの分泌がないため、インスリンが絶対的に必要ですので、あればなんでも(というより手に入ったらそれを)打った方が良いようです。(自分が普段使っているものではない場合にはインスリンの量は1/2~1/3に減らす)


ブドウ糖も忘れずにー低血糖の「はひふへほ」ー

避難中の血糖値は、ストレス(精神的なストレスでも血糖値が上がります)や不規則で偏った食事により不安定になりやすいです。

例えば食事が取れていなくて糖尿病の薬を飲んだりしたときや、インスリン注射をしたが、あまり食事が取れなかった場合などは、低血糖にもなりやすいです。

血糖値を自分で測定できる時には、適宜測定しながら気をつけてもらいたいです。

また、血糖測定器がない場合には、低血糖の症状が出ていないか注意して、生活をしてもらうようにお願いします。

低血糖症状は個人差もありますが、70mg/dL以下になったとき、「血液中に血糖が少なくなりすぎた状態」で起こります。

ここで、低血糖症状の覚え方で「はひふへほ」で覚えるというものがあるので、ご紹介します。

「は」… 腹(ら)が減り 空腹感

「ひ」… 冷()や汗   冷汗

「ふ」… 震(る)えは低血糖 震えやけいれん

「へ」… 変(ん)にドキドキ 頻脈

「ほ」… 放置(うち)で昏睡(こんすい) 昏睡状態

怪我をしてしまったら早めに手当を

糖尿病の方の場合には、怪我から感染症を起こしやすいため、できるだけ早めに手当をしてもらいましょう。

消毒液や、絆創膏、包帯など簡単な救急セットを用意しておくのもいいかもしれません。また、手を清潔にしておけるようにウェットティッシュや、風邪予防にマスクなども準備しておくといいと思います。

災害に備えるために

色々な機関で、糖尿病の方が災害時に困らないような情報提供をしてくれています。

まず、日本糖尿病協会では、

災害時ハンドブック

災害時の心得や、栄養、インスリンの投与量の目安、避難所でも出来る運動など書かれています。また、書き込みができるようになっており、自分の連絡先や、飲み薬・インスリンを災害時にどうしたらいいかなどの項目があるので、事前に書き込んでおくといざという時に安心ですね。

インスリンが必要な糖尿病患者さんのための災害時サポートマニュアル

こちらも、災害時の心得など書かれていますが、特にインスリンを使用してる方を対象に、災害時に困る可能性のあることについて詳しく書かれています。

糖尿病予防及び管理のための栄養と運動

特に、栄養と運動について特化して書かれています。運動については、写真を用いて色々な運動について紹介してくれているだけでなく、なぜ運動がいいのかについても解説されていて、災害時でなくても参考になるようなことが盛り沢山です。

上記を提供してくれており、それぞれPDFファイルをダウンロードすることができます。

こちらも参考にさせていただきました。

加藤内科クリニック災害マニュアル→http://www.dm-net.co.jp/saigai/saigai_manual.pdf

都営地下鉄防災ハンドブック→https://www.kotsu.metro.tokyo.jp/subway/kanren/pdf/handbook.pdf

警視庁 地震のときはこうしよう→http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kurashi/saigai/jishin/index.files/jp.pdf

いかがでしたでしょうか。

今回は、災害時特に糖尿病をお持ちの方が何に気をつけるべきかをまとめてみました。

ぜひ参考にして、いざという時の役に立てて頂けたら幸いです。

それでは!


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