糖尿病の薬―SGLT2阻害薬 編―

こんばんわ!

今日は糖尿病の薬の話です。

作用や、気を付けなければならないことなどをまとめていきます。

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〇薬理

腎臓の近位尿細管から出るSGLT2を阻害することで尿細管からのブドウ糖の再吸収を阻害し尿中に排泄することで血糖値を下げる。

血糖依存的に働くため単独使用による低血糖の可能性は少ない。

〇適応

体重減少作用があるため肥満患者。

腎機能低下患者にはよい適応ではない。

〇副作用

尿路感染症、性器感染症に特に女性では注意する。

頻尿・多尿がみられることがある。

脱水症状を特に高齢者で起こすことがある。

血中ケトン体が異常高値を示すことがある。

皮膚疾患(皮疹・紅斑)がでることがある。

まとめるとこんな感じです。

この薬は比較的最近出始めている薬のようです。

糖尿病の薬は、何種類もあってそれぞれ薬理作用が異なりますが、すべて血糖を下げる働きというのが興味深いところです。

この薬の最大の特徴は、「糖をそのまま体に取り込まずに尿から出してしまえ」です。

SGLT2はsodium glucose cotransporterの略で日本語ではナトリウム・グルコース共役輸送体という意味です。要はNaとグルコースを再吸収するときに働くもので、これを阻害することで血糖値を下げるのでSGLT2阻害薬と呼ばれます。

ちなみに2があるなら1もあるということでSGLT1というのもあり、これも働きは同じですが働くタイミングと吸収能力で1と2と区別されているようです。(話が逸れました)

通常では血糖値160-180㎎/dLくらいで尿糖が+になるのですが、この薬は先述の通り尿から糖が出てきますので、問答無用で尿糖は+になります。

バイ菌は栄養豊富な甘い尿が大好物であり尿路感染症などにかかりやすくなります。これは尿道が短い女性の方がなりやすいため注意が必要です。(もちろん男性も)

糖の再吸収が阻害されるので、体ではエネルギーを生み出すのに肝臓のグリコーゲンを分解して糖を生成したり(糖新生)、脂肪組織を分解したりします。脂肪が分解されるとケトン体(これについてはこれからじっくり調べます)が副産物的に産生されます。また、脂肪が分解されるので体重減少効果があり、これが肥満患者に勧められる理由です。

尿中に糖が多く含まれるため、尿の浸透圧(濃さが濃くなる)が高くなります。すると尿細管内外での濃度に違いが生まれるため体はこれを補正しようと水分が尿から体に再吸収されにくくなります。結果的に尿量が増え、体は脱水になりやすくなります。

腎症があり、腎機能がかなり落ちている方の場合や、脱水などの症状が出にくい(または気づきにくい)ため脳梗塞などのリスクも高まる高齢者の場合には、あまりいい適応ではないとのことでした。

薬理の部分をなるべく簡単に書いたつもりなのですが、文章力もありませんので、、、

もしわかりにくい、もしくは間違っているなどありましたらご指摘頂ければと思います。

日本糖尿病学会では、

SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendationを発表(リンクで飛べます)しており、こちらもご参照ください。

それでは!


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