肥満に対する低炭水化物食の効果とは―無作為化比較試験―

こんにちわ!

先日記事に書きました、糖質制限食の効果を検証した代表的な論文

Foster GD, Wyatt HR, Klein S, et al: A randomized trial of a low-carbohydrate diet for obesity. N Engl J Med 348:2082-2090, 2003

感想を書きたいと思います。

簡単にどんな研究を行ったのかをご紹介します。

対象:糖尿病、脂質低下の内服を行っている者、体重に影響を与える内服をしている者、妊娠中・授乳中の者を除いた63名の男女

方法:ランダムに低炭水化物食を摂るグループと従来ダイエット(カロリー制限)を行う2つのグループにわけた。両グループともにマルチビタミンの摂取を行った。3か月、6か月、12か月に栄養士の面談を受けた。

結果:減量に関しては3か月、6か月で低炭水化物食のほうが有意に効果を認めたが、1年後には有意な差はなくなった。全体的に、被験者の59%が調査を完了し、6ヶ月評価を完了した者の88%が完全に調査を終えた。

HDLコレステロールの増加、中性脂肪の減少は低炭水化物食にて有意に認められた。

初めの3か月に尿ケトン陽性の割合は低炭水化物食グループで有意に高かった。しかし3か月後には有意な差は認められなかった。

和訳が間違えていたら申し訳ありません。ご指摘頂ければ幸いです。

今回は自分の調べたかった以下の2点

  1. カロリー制限を主とした現在の糖尿病治療ガイドは何度も改定はされているもののカロリー制限食の効果を示した根拠が示されていない(ので調べてみたい)
  2. 過度な糖質制限は脂肪などの分解を促進し副産物でケトン体が産生されます。ケトン体は医療関係者がこのワードを聞くと、多くの人がインスリンが効いていない、もしくはインスリンの分泌能力が低下している良くない状態だと感じるのではないでしょうか。曖昧な拙劣な言い方をするとケトン体出てしまってもいいんでしょうか。(調べてみます

について参考になったかなという感じです。

インスリン抵抗性を改善するためには減量も重要な項目ですが、低炭水化物食で効果があるのは6か月時点までで1年後には有意な差は認めなかった→なぜでしょうか?適応現象なのでしょうか。論文ではサンプルが小さいことも原因の一つではないかと書かれていました。

また両グループともにダイエット食という体裁がありますが、6か月継続できている人の約9割が1年継続できているということは少なくとも6か月継続できている人は長期的に頑張れるくらいの習慣になるのかもしれませんね!

引き続き調べていきます!

それでは!

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